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タグ:建築家 記事一覧
  • Posted 2020.6.8
  • アトリエハレトケ長崎です。
    皆さま、いかがお過ごしですか?

    東京都の緊急事態宣言は解除されましたが、ワクチン登場まで予断を許さない状況がまだまだ続きそうですね。
    この2ヶ月間は「コロナ狂想曲」とも言うべき大騒ぎが、日本国内のみならず、世界中で巻き起こった事でしょう。
    この大騒ぎを通じて、私が学んだのは「自分と異なる他人を尊重すること」の大切さでした。

    「自粛警察」と言う不穏な言葉が流行しています。
    「コロナ自粛」に反する行動に対し、その行動をとった個人や団体を諌める動きのことだと理解しています。
    「善意の注意」も行き過ぎては「余計なお世話」になり、度を超えた「他者否定」となり、取り返しのつかない「負の感情」を生み出してしまいます。

    かく言う私も、街中でマスクをしていない人を見ては、ギョッとしたり、なぜマスクせずに出歩くのだろう?と思ったり、マスクがないなら出歩かなければ良いのに、と考えたり、自分の心の中にモヤモヤと黒い感情が煙のように湧き上がるのを感じたことが何度もありました。
    でも、これは「他人への配慮」を欠いた「価値観の押し付け」に他ならないと思います。
    おそらくマスクなしで出歩いていた人々にも、やむを得ない事情があったはず。
    どうしてもその状態で出歩かざるを得なかったのかもしれません。
    マスクがなくなってしまって探し求めていたのかもしれないし、道の途中で落としてしまって家路を急いでいたのかもしれない。
    そもそも情報に疎くてマスクの必要性に気づいていなかっただけかもしれません。

    つまるところ「自分の価値観を他人に押し付けてはいけないのだ」と言う当たり前のことに気づきました。
    「他人を変えることは出来ない」けれど「自分が変わることはできる」
    「自分の正義」と「他人の正義」は違っていて当たり前。
    当たり前のことなのに、真面目な人ほど、正義感が強い人ほど、「自分の正義」を他人に押し付け「自分と同じ正義」を他人に求める傾向が強くあります。(お恥ずかしい話ですが、正に私自身がそれでした。そのために長年大切に思って来た友人を失ってしまった経験もあります)

    「コロナ狂想曲」のおかげでようやくそんな当たり前のことに気づくことが出来た、なんてお恥ずかしい限りですが、
    「他人を尊重する」と言うことは「自分と他人との違いを当たり前のものとして受け止める」と言うことに他ならないのだ、と改めて学びました。
    「他人に優しく」あるためにこそ「自分に厳しく」なければならない。
    そんなことを考え、もっと成長しなくてはいけないと学んだこの2ヶ月間でした。

    金子みすゞは詠みました。
    「みんなちがって、みんないい」

    皆さんは、どのような事を考えましたか?

    アトリエハレトケ長崎でした。

    p.s.
    最後にお知らせです。
    2020年06月01日。
    弊社のウェブサイトをリニューアルしてリリースしました。
    https://haretoke.co.jp
    これまで以上にたくさんの作品と大きな写真をご紹介しております。
    ぜひご覧頂ければ幸いです。
    皆さまの毎日が穏やかで無事でありますように。

  • Posted 2020.2.19
  • アトリエハレトケ長崎です。
    今年もまた卒業制作のシーズンがやって来ました。

    建築学科の学生たちは、「卒業論文」とは別に、設計学習の総仕上げとして「卒業制作」を行い、学生生活を修めるのが一般的です。
    学部4年間の集大成とあって、学生たちは皆、全身全霊をかけて「卒業制作」に取り組みます。
    もの凄い集中力で皆が取り組むので、成果品は質量ともに素晴らしいものが多く、見るものを唸らせるものも。


    ↑こちらは理科大の卒業制作作品。
    陸海空をつなぐ物流センターを東京湾岸につくるという提案で、現代的で実験的なアイディアが盛り込まれた魅力的な提案でした。


    ↑こちらは電機大の卒業制作作品。
    電機大は構造系学生の作品レベルが非常に高い伝統があり、この作品もその一例です。

    卒業制作を終えると、学生たちは卒業を迎え、社会へ出て行きますが、中にはさらなる進化を求めて大学院に進むものも居ます。
    建築系の大学院では、学部で身につけた知識と技術をさらに深化させて、自らの興味を学術的に掘り下げていくことになります。
    そして、修士の2年間を修める際にも、大学院の学生たちは「修士設計」に取り組みます。


    ↑こちらは理科大の修士設計作品。
    修士ともなると、卒業制作からさらに深く踏み込んだ内容で、質がとても高く、2年間で飛躍的に成長しているのが明らかに分かります。

    これだけの熱量を「論文」とは別に「作品制作」にも注ぎ込んで修めるという点で、建築は、とてもユニークで魅力的な学問だと思います。

    私たち建築家も、卒業制作シーズンの学生たちに負けぬよう、熱い毎日を生きています。
    建築家にとっては、言ってみれば、毎日が卒業制作です。
    昨日より今日、今日より明日。
    より豊かで明るい未来を描くべく、気持ちを引き締めて、一生懸命に生きて行きましょう!

    アトリエハレトケ長崎でした。

  • Posted 2020.1.9
  • 新年明けましておめでとうございます。

    リツデザインの吉田です。

    今年の元旦は快晴でとても気持ちの良い一日でしたね。

    本年も宜しくお願い申し上げます。

    田都会も今年ついに10年目を迎えます。

    皆様がもっと楽にもっと楽しく理想の家づくりが出来るように、田都会は土地探しからアフターケアまで、親身かつ公平に寄り添っていきます。

    今年は皆さまにもっと「わかりやすい」をお伝えしていければと思います。

    「わかりやすい」第一弾は、ホームページの改修を計画中です。

    『田都会って建築家同士の集まりで、家づくりとは違うんでしょう?』とよく勘違いされます。

    そんなことはありませんよ!

    私たちが皆さまへ直接提供出来る一番のサービスは「家づくり」です。

    田都会は、建築家住宅を手に入れる際のハードルを無くす仕組みです

    私は田都会に参加して7年経ちますが、「日本一クライアントに親身になれる家づくり集団」であると、胸を張って言うことが出来ます。

    余計な不安や手間を排除し、理想の家づくりのことだけに集中できるサービスであること。

    そのあたりを「わかりやすく」伝えられるホームページにしたいと思っています。

    せっかくですから田都会の役割を解説しておきましょう。

    私達は家づくりの際に必要で面倒な以下のことをプロ集団としてお手伝いします。

    ・住まい取得にあたっての方向性のご相談

    ・資金計画

    ・土地探し、物件探し

    ・建築家選び

    ・建築設計および設計監理(建築家の仕事ですね)

    ・銀行選び

    ・縛りの無い施工会社選び

    ・スケジュール管理

    ・アフターケア相談

    等々、皆さまが悩む、迷う、の部分に寄り添って、出来るだけ公平な目でサポートして参ります。

    これは住まいを取得する際に、どこの会社組織と進めても、どこかの段階で直面する「困った」ポイントだと思います。

    例えば、不動産屋で住宅取得を相談すると、ベストではないもののその不動産屋さんが一番儲かる物件を紹介されるかもしれません。

    例えば、住宅メーカーに相談すると、金額の評価や設計力、施工の体制に不透明さを感じるかもしれません。

    例えば建築家に相談しようとすれば、どの建築家が信頼できて相性が良いのか、漠然とした価格の不安などが先に立ってしまうかもしれません。

    そういった不安が無い様に、フラットな目線で皆さまに合った家づくりをご案内出来るのが田都会なのです。

    ご相談の内容によっては別の方法(マンションや建売購入や住宅メーカーでの新築などなど)がそのご家族に合っていると判断すれば迷わずその方法をご提示させていただくこともあります

    それは、すべての人が理想の住まいを手にいれるため、です。

    家づくりの入り口で迷ったときには、ぜひ「田都会」を思い出して下さい。

    田都会には経験豊富な16人の建築家がいます。

    メールでもセミナーでも、一番気楽な方法でご相談ください。

    ご相談は無料です。

    皆さま引き続き田都会を宜しくお願い申し上げます。

    リツデザイン 吉田

  • Posted 2019.4.1
  • アトリエハレトケ長崎です。
    今回は車のデザインについて。
    先日、イギリスのスーパーカーメーカー「マクラーレン」の東京ショールームを訪ねる機会がありました。
    最先端のデザインやモノづくりの精神について、建築と車両とで何が同じでどう異なるのか、じっくり考えてみたいと思ったからです。

    こんな先鋭的なデザインに革新的な性能を秘めたモンスターマシンを間近に見ることが出来ます。

    このショールームの素晴らしいところは、この美しい外観の下に隠れているシャシー(骨組み・構造)が展示されていること。

    アルミとカーボンファイバーの複合フレームにエンジンやシートが乗っていることが良く分かります。

    細部に至るまで最先端技術の集積なのですが、特に目を引くのは、アルミとカーボンファイバーの接合部。

    アルミとカーボンという強度や変形特性が異なる素材同士をどのように接合しているのか、興味津々です。
    それぞれの素材特性を活かしたフレーム形状やつくられ方も見逃せません。

    様々な課題をクリアして、このような美しいスーパーデザインが実現出来る訳です。

    普段目に触れる外観だけではなく、その皮膜の下にどのような構造や性能が隠されているのか。
    それをどのように統合し、美しく表現するのか。

    車のデザインは、建築と異なるようでいて、実は多くの共通点を持ったとても魅力的な世界です。
    優れた建築のデザインは、建築の世界だけを見ていては、決して生み出すことが出来ません。
    私たち人間の社会的営みへの愛情あふれる眼差しや好奇心を常に忘れないことが大切だと私は信じています。
    素材を知り、技術を学び、それらを統合する職人たちをリスペクトしながらデザインの新しい価値を引き出したい。
    そんな思いを新たに、前向きな気持ちでショールームを後にしました。

    以上、今回は最先端の車のデザインについて、アトリエハレトケ長崎がお送りしました。

  • Posted 2019.2.1
  • アトリエハレトケの長崎です。

    私は建築家として、国内外を問わず、日々多くの移動をします。
    移動する時間も、スケッチしたり原稿を書いたり、仕事に有効活用することがほとんどです。
    その中でも空の旅は特別なインスピレーションを与えてくれる貴重な時間です。

    こちらは先日、秋田に飛んだ時の写真です。
    まるで雲が地面のように見えて、遥か彼方の地平線まで続いているかのようです。
    下を見下ろせばこんな風景に出会うこともあります。

    なんとも雄壮なランドスケープです。
    自分たちの暮らしをこんな風に見下ろしながら、自然と人間の関係性に思い巡らせると、新しい未来を思い描くことが出来そうです。

    帰り道にはこんな夜景も。東京湾越しに見る富士山の夕景。

    昼と夜とが出会う時、私たちは何を感じて毎日を暮らしているのでしょうか?

    当たり前の毎日の中にこそ、小さな驚きと発見を大切に生きていきたいですね!
    そんな大切な気づきを与えてくれる力を持った建築をデザインし続けていきたい。
    私はそう思います。

    アトリエハレトケの長崎でした。

  • Posted 2018.11.27
  • アトリエハレトケの長崎です。
    11月は賛助会の日東製陶所(磁器質タイル)とTLCアソシエイツ(湿式煉瓦)の工場見学ツアーを行いました。
    とても刺激的な見学会で、勉強になりましたが、かなりディープな企業秘密満載のため、なかなか写真でお見せすることが出来ません。
    その代わりと言ってはなんですが、とても美しい伽藍を訪ねてきましたので、そちらの写真をご紹介致しますね!

    こちら、多治見市の虎渓山「永保寺」です。

    アプローチから見えるこちらの重厚な屋根。期待感が高鳴ります。

    こちらが本堂です。

    実はこちらにはとても有名な二つの国宝があります。
    まずはこちら。国宝・観音堂です。
    屋根の反り(テリとも言いますね)が急で先端ではピン!と逆勾配にまでなっています。

    別な角度から見るとまた違った姿に。紅葉が見事でした。

    美しい池に架かった木橋を渡ってアクセス出来ます。

    それからもう一つ。
    こちらが国宝・開山堂です。

    こちらも屋根の反りが見事ですね。
    今から700年近く前にこのような素晴らしい木造建築と庭園が生み出された事実に想いを馳せると、建築文化を深化させるものはやはり時代のニーズなんだなぁ、と感慨深く思います。

    翻って、現代を生きる私達は、日進月歩の目まぐるしく変化の早い時代にあって、どんな建築を生み出していくことが出来るのでしょうか。
    そしてそれらは未来の子供達からどのような目で見られるのでしょうか。
    色々と想像をして見ると楽しいですね。

    良い建築を丁寧につくっていきたい。
    そのために良いクライアントと二人三脚で歩んでいきたい。
    そんなことを思う秋の夜長でした。

    アトリエハレトケの長崎でした。

  • Posted 2018.9.28
  • アトリエハレトケ長崎です。
    先日、大学院時代の同級生が結婚しました。
    結婚式が執り行われたのは、世界的に有名なこちらの教会。

    都内文京区にあるカトリック関口教会でした。
    こちらの教会は丹下健三の設計で、前回の東京オリンピックの年に完成しました。
    1964年ですから、今から54年前ですね。
    半世紀以上もの間この地にあって、人々の活動を見守ってきたわけです。

    この教会の一番の特徴はその形状で、空から見ると十字架の形をしています。
    神様と人々のどちらに対しても開かれていて、両者を取り結ぶ建築と言う訳です。

    屋外は金属の仕上げでキラキラと空模様を鈍く写し込む姿が美しい佇まいです。
    中に入ると荒々しいコンクリート打ち放しのHPシェル形状が迫力ある神々しさを表現しています。
    (内部は式の最中しか撮影できなかったため写真はお見せできずスミマセン。)

    それにしても美しい立ち姿。中もとっても素敵です。
    未体験の方は是非一度足を運ばれてみて下さい。
    半世紀を経てもなお、人々に愛され、我々と共に生きる建築。

    そんな時を超える力を持った建築を追い求めて、いつかこの手で生み出したい。
    それが建築家としての私の夢です。
    アトリエハレトケ長崎でした。

  • Posted 2018.8.13
  • こんにちは、リツデザイン建築設計事務所の吉田です。
    暑い!今年の夏は本当に暑いですね。
    最高気温30度くらいだと何か涼しい日な気がしてきます。
    人間は慣れるのでそれはそれで不思議ですね。
    そう、不思議といえば、もう一つ。
    徹夜明けの現場廻りで猛暑の中を1日歩いた日があったのですが、不思議と全く眠くならないんですね。
    身体の温度が上がりきっているせいか、普通の1日として過ごせてしまいました。
    科学的根拠は全くありませんが、あまりにも暑いと人は眠くならないんだな、なんてことを感じた猛暑日です。
    前置きが長くなりましたが、ここから「断熱の話」。
    画像を見てください。
    何の変哲も無い築25年一般木造住宅の2階の天井付近です。
    (私が事務所として賃貸で借りている区画です)
    撮影は
    午前11時30分
    外気温 33度
    室内温度27度
    です。
    次の画像。
    これは同じ場所をサーモグラフィーで撮影した画像です。
    青→黄色→白の順に温度が高くなっています。
    外気温(33度)より天井面の温度(34度)が高くなっています。
    天井の下地の形もよくわかりますね。
    次の画像
    一瞬「え?」と思いました。
    画像に高温を示す白い帯が出ています。
    あまりにもくっきりと分かれているので、何か電線の束でもあって、加熱でもしているのでは!、と。
    画像には出ていませんが、黄色の部分の表面温度は35度。
    エアコンを効かせている部屋なのですが、表面温度は屋外より高い温度です。
    それだけでもちょっと残念な画像ですが、この白い部分、何と40度以上もあります。
    おそらく天井裏はもっともっと暑い(熱い、ですよねこの場合)はず。
    結論から言えば、断熱材の施工不良です。
    昔は天井裏にお布団を敷くように、断熱材を置いておく方法が一般的でした。
    (実はまだ今でも一般的との声もありますが・・・。)
    この断熱方法だと室内天井面の温度は、良くて外気温、悪ければ画像のとおり・・・。
    これでは屋外にエアコンを設置するのと同じようなものです。
    エアコンで冷やしても、暑すぎる天井からの輻射熱で、風に当たる以外、涼しさを体感できません。
    足元は冷えるけど身体が暑い!の出来上がりです。
    余談になりますが、今、学校や体育館にクーラーを設置すべき、と、メディアが声高に訴えていますが、クーラー設置で終わってしまっては困ります。
    本来なら、まずは断熱をきちんとやることが先決でしょう(今年は暑すぎるので、クーラー設置で急場を凌ぐ必要性を感じます)。
    一気にはできないでしょうから、屋根改修等と併せてしっかりとした屋根断熱をしてしまう。
    次にサッシ等の弱点部分の断熱補強。
    これだけでも随分暑さ対策ができるはずです。
    住宅も先ずは断熱がしっかりできているか、が空調の第一歩。
    これから新築するなら尚更です。
    エコの観点に限らず、住人の健康を守るという基本的な意味でも、高断熱性・高気密性を確保することは、これからの住宅にとってとても大切な要素になります。
    また、断熱は切れ目なく施工されていることが大事です。
    切れ目があると写真の通り。
    工事でこれを実現するためには、施工者の目だけでなく、施主代理人として設計者が細部までチェックする体制が必要です。
    モデルルームの展示模型や宣伝で高度な断熱性能を謳っていても、あなたの住宅という一事例において完璧な断熱施工がされていなければ意味がないのです。
    私たち建築家も断熱等、住宅性能の知識について日々勉強しています。
    田園都市建築家の会では、建築家各々の勉強だけでなく、勉強会を行い情報共有によるスキルアップを図っています。
    新築だけでなく、リフォーム・リノベーションで断熱性能を向上させることも十分可能です。
    もしお困りの事がございましたらぜひ一度、毎週日曜日の無料相談にお越しください。
    田園都市建築家の会 建築家無料相談

    家づくりカフェ
    (田園都市建築家の会事務局)

    〒225-0002
    神奈川県横浜市青葉区美しが丘1-12-3
    第7松美ビル201

    お問合せ・ご予約先
    TEL: 045-482-6140
    FAX: 045-482-6141
    e-mail info@denen-arch.com

    リツデザイン建築設計事務所 吉田
  • Posted 2018.6.14
  • こんにちは、田園都市建築家の会の吉田です。
    先日、瀬戸内海にある豊島へ行ってきました。
    建築好きのみなさんはご存知のことと思いますが目的はそう、豊島美術館。

    豊島美術館;写真撮影禁止のため絵葉書で

    西沢立衛氏と内藤礼氏による建物とアートが一体となった空間。
    以前より一度体験してみたいと思っていた空間でしたが、期待を大きく上回る空間体験、そして豊島自体の存在、空気、移動、全てが環境体験展示と呼べるくらいの素晴らしいものでした。
     ◆
    ただ、この豊島への旅、船便が少なくアクセスに悩みました。
    せっかくですのでここで道案内を兼ねて私の辿った道をご紹介しておきます。
     ◆
    豊島へのフェリーは、岡山側と香川側からアクセス可能。
    今回は便数の多さからfrom岡山のアクセスにしました。
    from岡山、2度言いました。
    まず、岡山駅から宇野港へは特急バスが便利。
    約30分おき、所要時間1時間で宇野港へ到着です。
     ◇
    宇野港からはフェリーで豊島へ。
    とにかく便数が少ないので、このフェリーの時間を最初に決めておくのが肝心です。いや、本当にここが豊島旅のポイントです。
    美術館が10時スタートですので、移動を含めて30〜1時間前に着いておくと余裕をもって楽しめるかと思います。
     ◇
    豊島には家裏港と唐櫃(からと)港、2つの港があります。
    唐櫃へ行くフェリーは限られていますが、豊島美術館をメインに見るならば、唐櫃(からと)港が断然お勧めです。
    理由は後述にてご確認ください。
     ◇
    とりあえずバスで宇野港へ到着したらフェリー乗り場へ。
    フェリー乗り場は2つ(船会社が別)あるので、手っ取り早く係員さんに聞きましょう。
    バスの到着が遅れたため、親切な係員さんが自転車で別の乗り場へ行ってくれて、私たちの乗船まで船を待たせてくれました。感謝です。
    時間ギリギリになってしまった他の方達へも一生懸命に自転車をこいでご案内されていたので、日頃からとてもご親切な対応をされていることが伝わってきました。
    フェリーに乗ると、9割を近くが諸外国の方々。
    旅をすると感じますが、海外の方の方が、日本人よりも日本の文化に興味を持たれているように感じます。
    日本の津々浦々、外国人観光客を目にしない観光地はほとんどありません。
     ◇
    豊島の家浦港で約1/3ほどの人を降ろし、いよいよ唐櫃港へ。約30分の船旅でした。
     ◆
    唐櫃から島内の移動はバスか自転車。車や電動バイクもありますが、お勧めは自転車です。
    自転車無くしてこの豊島ならではの環境体験、移動体験は味わえない、と普段自転車に全く乗らない私が断言しておきます(笑)。
     ◇
    この日営業していたレンタルサイクルは1軒のみ。
    帰りに乗りたいフェリーの便をお伝えすると的確に返却場所や時間を案内してくれます。
    私は4時間(だったかな?)、家浦港に乗り捨てオプション付きで千円くらいでした。
    基本島内は坂道です。体力に自信のない私は電動自転車を選択。
    いや、電動自転車、楽(しい)ですね、本当に。
     ◇
    自転車を借りたら島内散策の始まりです。
    とりあえず自転車屋さんのお勧めのままに、漁村を抜けてクリスチャン・ボルタンスキ作「心臓音のアーカイブ」へ。勉強不足のため彼に関する予備知識がありませんが、ロケーションが美しい展示スペースが印象的。ただ、豊島美術館へ開館時間に行きたかったのでここはスキップ。
     ◇
    途中、猫たちの誘惑に負け、路地へ誘い込まれて開館時間を過ぎてしまいます。
    不覚、いやでもこれは抗えません。ニャー。
    唐櫃港へ戻り豊島美術館への坂道を登ります。
    電動自転車なのでとても清々しく坂道の景色が後ろへ流れていきます。
    急勾配のため、みるみる眼下に美しい景色が広がっていきます。
    前方には緑の生命感でいっぱいの木々たち、後方には瀬戸内海に浮かぶ島々。
    陳腐な表現ですが、肌をなでる風を含めて映画かアニメ世界に迷い込んだかのようです。
    美しい景色と命の匂い、心地よい風を堪能していると、いつのまにか豊島美術館の前に到着していました。
    いつのまにか、というのは、建物自体は道路からは見えず、あまり目立つ看板もなく、こぎれいなバス停のみが佇んでいるだけなので、普通に通り過ぎてしまいそうでした。
    自転車を停めて受付へ。
    受付を出ると建物が見えてくるものの、散歩道のようなアプローチへ迂回して本館へ。
     ◇
    このアプローチも豊島の息吹を感じられ、島の深部へ進むような移動体験になっています。
    そこを進むといよいよ建物への入り口が見えてきます。
    なにか祠の入り口のような、サウナの窯への入り口のような。
    ここで係の方の案内があり、靴を脱ぐこと、撮影録音が禁止であることが伝えられます。
    外で靴を脱ぐのかー、雨の日どうしてるのかな、と思いつつ靴を脱いだついでに裸足になり、いざ展示空間内へ侵入。
     ◇
    細い入り口を通過すると、予想していたよりたくさんの人が居る景色が目に入ってきました。
    とはいえ、別に人が密集していた、という訳ではありません。
    視界に入る限り柱も壁も何もない広大な空間(実際には40mx60mの無柱空間)。
    そこに佇む人、床に寝そべる人、瞑想する人。その突起物が目に入った、という感覚でしょうか。
    数歩進むと、その静寂の空間に身体を馴染ませる必要があることを認識します。
    ここでは誰かと話すことも、うるさい歩き方(?うまい表現がみあたりませんが)も、似つかわしくありません。
    空間に身体が馴染むと、目の前に広がる異空間と、風の音、緑や鳥、虫たちの囁きが響き渡ります。
    天井の大きな開口からは豊島の自然が象徴的な何かの対象物として見えてきます。
    よくピクチャーウインドウという言葉が使われますね。
    景色を絵画のように切り取る窓、というのが一般的かと思います。
    ただ、この豊島美術館の開口部は、一般のそれとは全く異なるように思いました。
    これは、開口部を通すことでその対象と一体となるような、裏表が逆転してしまうような開口部体験?です。
     ◇
    同様に空を切り取った空間が、直島の地中美術館と金沢の21世紀美術館にあります。
    ジェームスタレルさんのブループラネットスカイ、という作品です。
    豊島美術館と同じように天井を切り抜いた開口部が特徴ですが、豊島美術館の開口部とは真逆の切り取り方に感じました。ブループラネットスカイを見たときも感激しましたが、私は豊島美術館で完全に感覚をアップデートされてしまいました。
     ◇
    そして足元に転がる水滴。
    この水滴が絶妙です。
    一つの水滴が生き物のように尾を引いて次の水滴に乗り移る、そして次の水溜りに。大きな水溜りもたくさんの水滴を後に残しながら次の水滴へ移り変わってゆきます。
    おそらく、見る人それぞれの想いを反映させる、今までにない「リアルな生き物」の展示ではないでしょうか。
    風にたなびく白い紐、木々や自然の声、水琴窟のような水音、わずかな擦り音。
    気づいた時には入館から100分近くが経過していました。
     ◇
    名残惜しさとともに展示空間を後にし、靴を履こうとすると、入館待ちの長い行列が。
    そう、早い時間に入ったので気づかなかったのですが、入場人数の調整をしているようです。
    中に入ると時間制限のようなものもありませんので、私のような時間を忘れた者がいると、並んでいる人たちはいつ入れるのか見当がつきません。
    なので、ここは朝いちばんで回ることをお勧めしておきます。
     ◆
    さて、ここでアップデートされた感覚のまま豊島をサイクリング続行。
    何か島を感じる感覚がちょっと変わった感じがします。
    また、それを維持させてくれる環境が残されているということでしょうね。
     ◇
    豊島美術館の坂を登りきると背後には丘と海。
    ココイチの美しさです。インスタ映えします(インスタやっていないのですが)。
    平日のせいか残念ながら唐櫃地区のほかの施設はほとんどがクローズ。
    でも軒の低い街並みの中を移動していると、自然と人との関わりに思いを馳せることができます。
    街を出ると道はアップダウンを繰り返し、移りゆく景色とともに家浦港へ近づいていきます。
    車もほとんど通らないので、島の音を聞きながら本当に開放感に溢れた移動がつづきます。
    島移動体験。うーん、こういう言葉では無いのですが、とりあえずブログの中ではここが限界。
    続きはぜひ行って体験してみてください。
     ◇
    私たちはこのあと「海のレストラン」で昼食をとり、家浦港から直島に渡りました。
    家浦港に着いたら、自転車屋さんが軽トラックで自転車を回収しにきていました。
    朝お会いしたのに何か懐かしさとともにご挨拶。
     ◇
    この美術館前後の体験を含めた、ピュアな気分での島体験ができるのが唐櫃港からのアクセスかなと思います。
     ◆
    直島に移動してしまえば、直島〜宇野間はたくさんのフェリーが出ていますので、あまり時間にシビアにならなくても大丈夫かな。
    ブログ長いですね(笑、いや笑えないかも)
    これ以外で聞きたいことがあったらぜひコメント欄でお聞きください。
     ◆
    このあとは尾道〜宮島へ廻りました。
    こちらも素晴らしい体験でしたのでまたの機会に。
    吉田
  • Posted 2018.5.29
  • アトリエハレトケ長崎です。
    今回は街並みのお話。
    私が大好きな街、ヘルシンキ。
    フィンランドの今の首都ですね。(元々はトゥルクです。)
    街中が優れたデザインで溢れる、世界で他に類を見ない特別な街です。
    ヘルシンキの街を一言で表現するなら「窓の街」と言えるのではないでしょうか。

    例えば、こちら。

    ↑都心の大通公園からほど近い郵便局のある広場に面して最近出来たばかりの法律事務所の建物。
    ライムストーン張りの外壁に反復するミニマムなガラス窓が特徴的で、見上げの空にとても良く映えます。


    ↑こちらは都心中の都心。
    チョコレートで有名なファッツェルのカフェやGLOホテルのある通り沿いの建物。
    窓周りの奥行きある表情がとても美しいです。


    ↑こちらも同じ通りの隣の建物です。
    どちらもサッシ(窓)は木製で窓ガラスは複層ガラス。
    とても美しい街並みを形成しています。


    ↑これは都心部からHietalahtiのマルシェまで歩く途中にひと際目をひく建物。
    アルヴァ・アアルトが築き上げた木製サッシと銅板サイディングで構成されるヘルシンキの街並みの作法を継承しつつも、より現代的な表情を実現させています。


    ↑こちらも同様にHietalahtiのマルシェ近くのIT企業のオフィスビル。
    これぞ正にアルヴァ・アアルトが生み出した街並みの基本的なボキャブラリー。
    木製サッシと銅板サイディングと煉瓦外壁で構成されたお手本のようなファサードです。
    街路樹の影も街並みの一部。
    本当に美しいです。


    ↑こちらは都心の大通公園脇に引っ越したインテリアブランド「artek」が入居するビル。
    重厚な煉瓦造りですが、窓周りはとてもスッキリと現代的な納まりをしていて、眺めていて見飽きることがありません。
    「artek」は、アルヴァ・アアルトが作ったインテリア会社として世界的にも有名で、日本にもショップがあります。
    こちらの店舗はインテリアそのものも見所で、今は日本人女性の素敵なスタッフもいらっしゃいます。
    ヘルシンキに行く機会があれば是非とも訪ねて見てくださいね。


    ↑魅力的な窓周りばかりのヘルシンキ中心部にあって、私たち建築家にとってひと際特別な存在なのはこちらの建物。
    世界的に著名なアカデミア書店です。設計はアルヴァ・アアルト。
    近代ヘルシンキの街並みの良心のような存在感です。
    この建築物は屋内もディテールも特筆すべきことがたくさんありますが、それはまた別な機会に譲りたいと思います。

    反復する窓ひとつを取っても、多様な表現があることを発見できる街、ヘルシンキ。
    日本的な「作っては壊す」生活文化とは真逆と言って良い、「大切に直しながら使い続ける」生活文化が生み出してきた美しい街並み。
    私たち日本人も今こそ学ぶべきことがたくさんありそうですね!

    良い街並みは良い建築から始まります。
    興味をお持ちの皆様。ぜひ私たちと一緒に考えてみましょう!!

    以上、アトリエハレトケ長崎がヘルシンキよりお伝えしました。

  • Posted 2018.5.2
  • 明日5/3(木・祝)内覧会の「仙川の住宅」

    ご提案当初からの模型も展示しています。

    同じ敷地でも、暮らしのかたちは一つではありません。

    1/1スケールの建物と模型を見比べて

    想像を膨らませるのも内覧会の楽しみ方の一つかもしれません。

    内覧会お申し込みは下記より受付中です。

    【ご見学のお申込み・お問合せ】

    下記の連絡先まで

    ①お名前

    ②ご住所

    ③ご連絡先

    ④ご来場人数

    をお知らせください。

    ◆連絡先;田園都市建築家の会(info@denen-arch.com/045-482-6140)
           または
           リツデザイン建築設計事務所 吉田(r_d_archi@ybb.ne.jp/090-3548-9670)
    ◆当日の連絡先;リツデザイン建築設計事務所 吉田 090-3548-9670
  • Posted 2018.4.27
  • こんにちは、リツデザイン建築設計事務所の吉田です。

    田都会ブログでご紹介して参りました「仙川の住宅」ですが、いよいよ竣工の日を迎えます。

    つきましてはお施主様のご厚意により内覧会を開催させていただくことになりましたのでご案内申し上げます。

    「仙川の住宅」竣工内覧会
    ◆日時;2018年5月3日(木・祝) 10−17時 
    ◆住所;東京都調布市 ※詳細住所はお申込み時にご案内申し上げます。
    ◆交通;京王線・仙川駅より徒歩10分
        小田急線・成城学園前駅よりバス15分+徒歩5分
        ※詳細住所はお申込み時にご案内申し上げます。
        ※現地に駐車場はありません。お車でお越しの際は必ずコインパーキング等をご利用ください。
    ◆規模;木造2階建
    ◆敷地面積;223.54m2
    ◆延床面積;140.68m2(42.55坪)

    【ご見学のお申込み・お問合せ】

    下記の連絡先まで

    ①お名前

    ②ご住所

    ③ご連絡先

    ④ご来場人数

    をお知らせください。

    ◆連絡先;田園都市建築家の会(info@denen-arch.com/045-482-6140)
           または
           リツデザイン建築設計事務所 吉田(r_d_archi@ybb.ne.jp/090-3548-9670)
    ◆当日の連絡先;リツデザイン建築設計事務所 吉田 090-3548-9670
  • Posted 2018.4.10
  • こんにちは、リツデザイン建築設計事務所の吉田です。

     

    桜の季節も終わり、新緑が眩しい季節になりましたね!

     

    「仙川の住宅」ももうそろそろ完成が見えてきました。

     

    今回は少し遡って全館空調について。

    全館空調って何を基準に選べばいいの?

    という方は、別に記事をアップしていますのでぜひそちらをご覧ください。

    全館空調って・・・その1

    全館空調って・・・その2

     

    「仙川の住宅」のお施主様が求められたのは

    ・花粉やPM2.5等、屋外の有害物質を室内に入れないこと

    ・清掃性の高い熱交換方式(自分でいつでも清掃できること)

    ・全館空調方式において、湿気・臭気発生源を含めた空気の流れをコントロールすること

    でした

     

     

    先ず、建物内の空気を高レベルでコントロールする必要があったので、第1種換気を採用です。

     

    次に、熱交換器には清掃性の高さ、湿度発生源も含めた換気計画の必要がありましたので顕熱交換器を採用しました。

     

    空調機は、暖房と冷房を役割を分ける方式を採用。

    暖房は下から暖める「基礎蓄熱全館暖房」を採用。

    冷房は上から冷やす「ダクト式エアコン」を採用しました。

     

     

    基礎蓄熱式全館暖房+全館空調+熱交換器を採用した仙川の家。

     

    屋外から取り込んだ新鮮な空気が、空調と一緒に建物内を廻り、排気ルート各所から回収されていく計画です。

     

     

    基礎蓄熱式全館空調は、家全体を余すところなく暖めてくれます。

    特に良い点は

    ・輻射式で家の隅々まで暖かい風の無い暖房

    ・コンクリート躯体に蓄熱するため、作った熱に無駄が少ない

    ・家の床、壁、天井や家具などが温まるので、冬場に窓を開けても快適な暖かさを保持しやすい

    ・建物自体の木材も乾燥した状態を保持できるので、家が長持ちする

    という点ですね。

     

    注意点は

    ・蓄熱式なので、スイッチを入れればすぐ暖かくなる、切ればすぐに冷える、というものでは無いという点だけ慣れが必要

    ということでしょうか。

     

     

    ダクト式エアコンは、主に人のいる場所に向けてダクトを回していきます。

    断熱性・気密性を高めた外皮により、エアコンは各階1台で賄っています。

    写真のように、エアコン、換気、暖気経路、それぞれの送気経路に合わせた、様々なダクトが設置されていきます。

     

     

    快適な全館空調を実現するには、「理想の住まい方」に合わせたフレキシブルな設計と、細やかな施工が必要不可欠です。

    どこかのメーカーの全館空調パックではない、オーダーメイドの空調システムを一緒に作り上げてみませんか?

  • Posted 2018.4.9
  • こんにちは、リツデザイン建築設計事務所の吉田です。

     

    前回に引き続き、全館空調についての2回目です!

     

    前回の全館空調って・・・その1はこちらから

     

    (写真はBEリンクの基礎蓄熱式全館暖房を採用した現場、コンクリートに埋設される温水パイプが並んでいます)

     

    さて、換気方式は決まりましたか?

    では全館空調を選んでいきましょう

     

    全館空調は、読んで字のごとく、家の中すべてを隈なく空調することです。

     

    代表的な全館空調といえばヒートポンプ式の空調機、つまりエアコンですね。

    空調機を天井裏等に仕込み、その風をダクトで各部屋に送り、ダクトで排気する、というのが一般的に全館空調機と呼ばれているものかと思います。

     

    暖房も冷房もこれ一機で賄う方式、ビル等でも一般的に採用されている方式です。

     

    ただこの全館空調、暖房も冷房も同じ方式でなくてはいけないわけではありません。

     

    暖房は輻射式、冷房は対流式、などの組み合わせも可能なのです。

     

    輻射式としては

    ・冷温水(またはオイルなど)によるパネルタイプ

    ・蓄熱式(コンクリート躯体やレンガなどに蓄熱します)

    が代表的な方式と思います。

     

    対流式もエアコンだけではなく

    ・空気集熱式(屋根で集熱するタイプが代表的)

    ・地中熱利用など

    もあります。

     

    これらを組み合わせて選ぶことになるのですが、そこで大切になるのはお施主様の「理想の暮らし方」になります。

     

    これは人により本当に様々です。

     

    ・エアコンの風が苦手(逆に冷風が好きな方も)

     

    ・アトピー等があるから埃が立たないことが一番

     

    ・窓をよく開ける(逆に、全く開けたくない)

     

    ・ランニングコストを最小限にしたい

     

    ・イニシャルコストやランニングコストよりも、手軽さが大事

     

    ・新しい技術を積極的に取り入れたい

     

    等々

     

    一人一人のご要望には、それぞれに個人的な理由というものが存在していて、それは至極大切な実現すべきものと私は考えています。

     

    当たり前のことですが、冷気は下方に向かい、暖気は上方に向かいます。

    この流れに逆らって空調を行うことは、快適性の低下やエネルギーのロス等の問題を引き起こす原因となります。

     

    また、これは人の快適性とも比例していますよね。

    足元ばかり冷えると不快ですし、頭ばかり暖まるとこれも不快です。

     

    つまり、暖めるものは下に設置、冷やすものは上に設置することを心がければ、より効率的で快適な環境を実現できる、ということです。

     

    具体的な空調方式の選択については、それぞれの建築家にご相談いただき、自分たちの求める理想の暮らし、を見つけてみてください。

     

    もちろん私もご相談に乗りますので、お気軽にお声をお掛けくださいね

     

     

    リツデザイン建築設計事務所では様々な空調方法をご提案・実現してきましたが、一例として、現在施工中の「仙川の住宅」の空調方式をご紹介しています。

    ぜひ以下のリンクもご参照ください

  • Posted 2018.4.7
  •  

    こんにちは、リツデザイン建築設計事務所の吉田です。

     

    今日は全館空調について、少し長くなりますので、2回に分けてご紹介したいと思います。

     

    (写真は「千川の住宅」の空調機、主に冷房用として採用しました)

    全館空調、という言葉、一度はお聞きになられたことがあると思います。

    『○○の全館空調』のようなものを売りにしている住宅メーカー・建設会社もありますね。

     

    私たちも「一番良い空調はどれか?」と聞かれることがありますが、これは様々な方式があり、ユーザーが何を求められているか、で空調方式を選ぶ基準がガラッと変わってきます。

     

    私たち設計事務所は、メーカーに縛られることなく、どのような空調方式も選択可能です。

    お施主様の求められる「住まい方」を実現するために、様々な方式をご提案し、お施主様と一緒に最良の方法を探し出していきます。

     

    さてそれでは全館空調について、とお話したいところですが、空調と併せて室内の空気の入れ替えをどのように行うか、を考える必要があります。

     

    気密性が高くなった現在の住宅において、計画換気は必須です。

     

    住宅で使われる換気方式は

    第一種換気→給気も排気も機械で行う

    第三種換気→排気のみ機械で行う(以前はこれが主流でしたね)

    の2種類。

     

    ここでは給気も排気も機械で行う第一種換気について、何を基準に選ぶと良いかをご紹介します。

     

    ≪熱交換器について≫

    気密性の高い住宅において、計画的に室内の空気を入れ替えてあげることが必要です。

    室内の空気を屋外に捨て、屋外の空気を取り込むわけですから、そこで温度の違う空気が室内に入り込みます。

    寒い冬には暖かい空気を捨てて冷たい空気を取り込み、夏はこの逆のことが起こります。

     

    当然エネルギーのロスが発生しますので、「捨てる空気」と「入る空気」の間で『熱』を受け渡しましょう、というのが熱交換器の基本的な役割です。

     

    この熱交換機には以下2種類の方式があります。

     

    (1)全熱交換式

    温度の受け渡しだけではなく、「湿度」も受け渡しをします。

    ◯梅雨の除湿、冬場の乾燥防止に役立ちます

    △室内で発生する強い湿気、強い臭気に弱く、別の換気計画が必要になります。

    △熱交換器が汚れた場合、素子の交換が必要になります。

     

    (2)顕熱交換式

    温度のみの受け渡しをします。

    ◯湿度・臭いを回収しないため、全室まとめて換気計画が可能です。

    ◯熱交換器が汚れた場合、水で洗浄可能です。

    △屋外が高湿度になった場合、室内にも湿気が入り込みます。

    △冬場は室内が乾燥傾向になります。

     

     

    上記の違いを簡単にまとめると、湿度コントロール、清掃性(臭いを含む)の2点になります。

     

    この、湿度と清掃性についてのお施主様のお考えは、全館空調方式の選択にも大きく影響してきます。

     

     

    ちなみに花粉やPM2.5を取り除くのは、熱交換器に付属するフィルターの性能に依り異なります。

    このフィルターの性能もメーカーによって様々。

    目的やコストを良く把握して絞り込んでいきます。

     

    先ずは熱交換方式を選んだ上で機種選定に入る、ということですね。

     

     

    はー、、、文字だけなのに長くなりました。

    読むのも疲れましたよね、 、

     

    ここまでお付き合いありがとうございます。

    真剣に空調方式をご検討されている方のお役に立てれば幸いです。

    さらに気になる方はgoogle先生か私まで、どうぞお気軽にお問い合わせください(^ ^)

     

    全館空調についてはまた次回!

     

    ありがとうございました( ´ ▽ ` )ノ

     

  • Posted 2018.2.6
  • こんにちは、リツデザイン建築設計事務所の吉田です。

    先日はたくさんの皆様に「杜の家」竣工内覧会にお越しいただきまして有難うございました。

    今回は「お仕事後にしかお時間が取れない」という方へ夜も内覧会を開催させていただきました。

    引き続き皆様に身近に感じていただけるような家づくりのご案内を心がけてまいります。

    ぜひ次回以降もお気軽にお立ち寄りくださいませ。

    1月の大雪の前日、快晴の日にお引渡しになりました。

    お引渡で設計業務は一区切りつきますが、顧客満足度を第一の物差しとしているリツデザイン建築設計事務所としては

    設計が良かったかどうか、真価が試される初めの一歩です。

     

    「デザインが美しい」、「斬新」、「雑誌に掲載される」どれもとても大事なことかもしれませんが、

    弊社では、『ご入居いただいて、本当に快適にお住まいいただけるかどうか』を一番大切にしています。

    快適にお住まいいただくためには、場合によってはデザインが犠牲になる時があるかもしれません。

    ただ、それでも、これから永くお住まいいただくオーナー様のために優先すべきことがあると、私たちは考えています。

    建築家の考え方で少しずつ違いが出るスタンスですが、建築家を選ぶ際にとても大切なことだと思います。

     

    もちろん、海外建築雑誌へ絶対に掲載してほしい!ということが第一目標という方も、それが間違っているというわけではなく

    これは相性の問題ですので、ご要望に合った建築家選びを大切にしてくださいね。

    リツデザイン建築設計事務所 吉田立

  • Posted 2017.11.6
  • アトリエハレトケ長崎です。
    すっかり秋ですね。
    南軽井沢の現場もこんな感じに秋真っ盛り。

    こちらの現場は、あとひと月でお引き渡しを控えて、現場作業も佳境に突入しています。
    当然、建築家である私たちの設計監理作業も大わらわ。
    そんな中でも最後まで活躍するのが、模型です。
    こちらは、建物前面に設置予定のウッドデッキテラスの形状を検討しているところです。
    手を加えては観察を繰り返して「これだ!」という着地点を探っています。

    合わせて、前面道路側の表情も模型で最終検討します。

    同じ模型を覗き込むと、アプローチに差し込む自然光と影の様子を確認することも出来ます。
    こんな風に模型を撮影して写真で光の入り方などを確認することも重要な検討作業の一つです。

    模型というのは、プロジェクトの最初から最後まで、常に私たちの手元にありながら、常に変わり続けることで、建築家の創造性を刺激し続けてくれる最高のツールです。
    こちらの写真はモノクロームですが、これが実際にどんな風に完成するのか。
    一ヶ月先をぜひ楽しみにお待ちください。
    アトリエハレトケ長崎でした。

たまプラーザにある田都会の「家づくりカフェ」は、
ウェブサイトに掲載されていない建築家の事例写真や建築事例の情報など、建築家との家づくりの実際をご覧いただける
家づくりの情報発信スペースです。お買い物・お散歩のついでにお気軽にお立ち寄りください。
定期的に各種家づくりに関するセミナーも開催しています。

家づくりカフェ

家づくりカフェ (田園都市建築家の会事務局)

営業日・営業時間
  10:00~17:00   定休日 毎週水曜日
  年末年始 休業(HPでご案内いたします)

お問合せ先
  TEL: 045-482-6140 FAX: 045-482-6141
  e-mail  info@denen-arch.com
  〒225-0002
  神奈川県横浜市青葉区美しが丘1-12-3 第7松美ビル201
  [Google Maps で開く]

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