設計業務を進めていく過程で、図面だけでは分かりづらい時に、3次元的な表現が必要になることが多々あります。その目的とは主に自分達の確認のため（スタディ）、施主に理解いただくため（プレゼン）、施工者に設計内容を伝えるためなど。そしてその方法は、１）スケッチ（パースやアクソメ図など）、２）模型、３）ＣＧ（画像や動画など）などがあり、建築家は通常、目的や状況によりこれらの3つを使い分けますが、好みや技量によりそのバランスが異なるのも事実で、それがその設計事務所のカラーとも言えます。

そして当事務所は、完全に模型派です（でした？）。特に時間を要するプレゼン、その中でも施主への最初の提案はそれで設計を依頼するかどうかが決まることが多いので非常に重要なのですが、その際は1／50の模型（外壁の一部が取り外しできて、内部の雰囲気も覗くことができるつくり）をご提示することがほとんどです。

模型の最大のメリットは空間の雰囲気が最も伝わり易い（と個人的に思う？）ことで、視点や光の当たり方の違いでバリエーションも豊富、少しの想像力とちょっとした見方のコツを掴めば実際のその建築に近い印象を得ることができると思います。一方デメリットは、ＣＧなどに比べると発展性が無く持続して使い続けることが難しいこと。案を修正する時など、変更内容にもよりますが大抵は作り直しになってしまい、より設計が進んで、例えば空間の中における素材のテクスチャーやカラースキームなどのチェックへ移行する場合もＣＧに軍配が上がります。

なんとなくこのブログを書きながら、現代の風潮、サスティナビリティの精神からするとＣＧの方が良いのかな？と思ってきてしまいました…。（上記の文面「模型派です」の後に「（でした？）」などをこの時点で追記）確かにうちの若いスタッフなどはＣＧの方が得意なようで、モデルさえつくってしまえば動画への移行も容易、季節と日時の太陽の方位と高さなども簡単にシミュレートできてしまう！模型への想いはおじさんの執着心？？？なんだか悲しくなってきました…。

写真は、先日のプレゼンをした時に使用した模型です。いかがでしょう？これらの写真を載せつつ「建築模型」というタイトルでブログを書こう思い立ったわけですが、もしかしたら当事務所のプレゼン模型も、今後無くなっていく…、という追悼文になってしまうかもしれません。