以前にこのブログでも「吊り階段」というタイトルで、住宅の階段についての魅力をお話ししました。これまでにも色々なタイプの階段設計しており、「吊り階段」で全種類制覇したかな？と思って書いた記事でしたが、今回新たに、そして最もシンプル、かつちょっとドキドキする？「片持ち階段」を設計しましたので、再びお話を…。

この建築は練馬区にある小さな住宅で、敷地は防火地域なのですが、2階建てかつ100㎡以下ということで45分の準耐火構造の木造が可能に。この時、階段の踏板は燃え代計算で60ｍｍ以上という告示がありますので、その厚みを活かして木材のみで完全片持ち（裏に鉄の厚板を仕込んだりせず）の小屋裏収納へと続く階段にできないか？というのが施主のリクエストでした。（とても建築に詳しい若いご夫婦、と飼猫が２匹）

木だけでの片持ち、しかも壁の厚さの中のみでしかその支持ができないので、構造が分かっているとなおさらビビります。大工さんとも打合せを重ね、壁内は全て無垢の堅木材を下から積層させその中に踏板を差し込んでいくような工法としましたが、「ネコしか乗らない約束だからね！」とか、「人間は踏板の根元を歩いてよ！」とか、本気とも冗談ともつかないコメントを大工さんは連呼していました。ホントにやばかったら、踏板先端を上下２段ずつ全ねじのボルトで固定するという対策を後施工で考えていましたが、果たしてその結果は、、、

思ったより揺れなかった…（ホッ）という感じで、とりあえず全ねじボルトは必要なさそうです。そして一筆書きのような手摺も付き、施主のお望み通り？しい階段にはなったのではないかと個人的には思っていますが、いかがでしょう？