以前のブログでご紹介した「地窓」、その時と同様に玄関入って正面に低く切り取られた庭の眺めを、この住宅でも設えてみました。（窓が高めだと隣の家が見えちゃうので…）地窓は畳との相性がいいので今回も客間を兼ねた和室とし、普段は玄関との間にある障子を開け放して、エントランスホール的な位置づけに、その長めの演出として設えています。ただし、今回は庭の方の趣きを変えて「苔庭」。施主と協力いただいている造園家と3者で相談してちょっとアレンジしてみました。

北庭なので日中の大半は建物の陰になり、その点は苔に適した環境と言えます。もうひとつ必要な湿度の高い環境をどう作り出すかについては、ミストを噴出する自動潅水装置（意外と安価です）にて対応することに。苔にとって水やり量はもちろんのこと、時間帯なども重要なようです。更に5種類の苔を織り交ぜて植えており、種類によって適した日射量や湿度が異なるようですので、この環境下に適したものが生き残り、繁殖してくれるだろうという作戦です。

ただし、ここ最近の夏の日差しは強烈過ぎて…、太陽高度が高いので日陰の範囲も少ないし…。少し苔の変色も確認できるようになってしまいました。何とか今年の夏を粘ってもらえれば、根付いてもらえると思うのですが…。