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タグ:建築 記事一覧
  • Posted 2023.11.30
  • こんにちは、リツデザイン一級建築士事務所の吉田です。

    近年、戸建住宅でもリフォーム・リノベーションの需要が高まっていますね。模様替えのリフォームではなく、暮らし方や住宅性能そのものを向上させるリノベーション。新築同様の長寿命化が求められるリノベーションが増えています。弊社では性能向上リノベーションに長く取り組んできましたので、その実例を数回に分けてご紹介したいと思います。

    青葉台の家

    こちらは築40年の木造住宅のリノベーション。

    高台に建つ住宅でしたが、毎日苦労して階段を上っても高台を楽しむ場所が無い。そこで寝室を1階に、LDKを2階に、と上下入れ替えてさらにリビングを増築。戸建て住宅とは思えないような高さから街を一望できる暮らしに変わりました。

    増築したリビングとバルコニー。高台から街を一望!

    とはいえ築40年の建物は耐震基準に満たなかったり(今の評価だと耐震性はゼロ!)躯体がわずかに傾いていたり。なのでスケルトン状態にして基礎をアラミド繊維等で補強して建物を垂直に直し構造計算に基づいて補強をして。

    結果、長期優良住宅を取得し、増築によって建築確認も改めて取得(なかなか手続きは大変でしたが)。

    新築同様、長く安心して快適にお住まいいただけて、資産価値も再確保。

    1階に下りてきて庭とつながった個室群。趣味と庭がつながっている様子がよく伝わります。

    でもそれってとっても費用がかかりそう、と思いますよね。

    確かに模様替えのリフォームと比較すると、相応に費用がかかります。

    それでも既存を壊して同規模の新築を建てるより2~3割安く納まります。

    そして既存利用のもうひとつのメリットは敷地環境を活かすことが前提となること。

    新築を計画するとついつい外回りも一新したくなるもの。

    リノベーションはそこにあるものを大切に引き継ぐ姿勢がベースにあるので、お庭や環境を活かすことが基本になることが多いです。

    敷地に係る更新費用は、建物価格のやはり1~2割程度になることがほとんどです。

    横浜あたりの高台になると古い擁壁が使えないなど数百万円単位になることが少なくありません。

    総額で考えると新築と比較して3~5割程度は安くなる算段です。

    今の建設価格高騰を考えるとかなりの金額差になってきますね。

    既存の長い階段やレンガの花壇を活かしてイメージを一新

    建築は大切な社会の共有物です。

    壊して建てるのほかに、活かして建てるという選択肢があることも知っておくと、家づくりの選択肢が広がるかもしれません。

    ※青葉台の家はこちらのリンクからご覧いただけます

    実際私自身も住宅の一次取得者でしたが、①土地+新築、②マンション購入(家族の希望)、③マンション購入+リノベーション、④中古戸建購入+リノベーション、という4つの観点からフラットに検討することで資金的にも選択肢を増やすことが出来ました(結果は中古戸建購入+リノベーションとなりましたのでいずれご紹介しますね)。

    お読みいただき有難うございました。

    次回も戸建てリノベーションの実例をご紹介させていただきます。

  • Posted 2023.11.10
  • アトリエハレトケ長崎です。

    (前回の続きです)人生初のコペンハーゲン訪問の後、これまた人生初のストックホルムに飛びました。

    ストックホルムでは、まずはセント・マークス教会を訪問。

    森の火葬場をアスプルンドと共に手掛けていたレヴェレンツが、道半ばにしてプロジェクトから外され、その傷心からのリベンジを図った75歳の時の仕事だそうです。

    ロマン主義的なローカルモダニズムと言えそうな建築様式。

    公園との関係性や自然光の取り込みかたなどが、トゥルクにあるブリュグマン設計の復活礼拝堂にも似ている気がしました。

    セント・マークス教会の次は、世界遺産、森の礼拝堂(Skogskyrkogården)へ。

    設計は当初、レヴェレンツとアスプルンドが協働し、最後はアスプルンドが単独で完成させることになったそうです。

    道半ばで外されたレヴェレンツは失意に沈み、アスプルンドは名声を確固たるものに。

    1940年にアスプルンドが死没するまでの25年をかけて設計と施工を繰り返して生み出された墓所。

    そしてアスプルンド亡きあとは、再びレヴェレンツが自身の生涯をかけてランドスケープの設計を引き継いだと言う熱い話も。

    本当に絵のような風景。

    北欧の空ならではの光の色。

    そしてストックホルム市立図書館へ。

    みごとな自然とのコントラスト。

    青空に対する補色としてのオレンジ色か。

    隣接する公園との相性は良いけれど、街並みの中では唐突すぎる気も。

    そして外装がチープで表層的なのは意外。このあたりは北欧モダニズムの模索の痕跡?

    1928年竣工。

    コルビュジエのサヴォア邸よりも前の作品。

    円筒形の内部は象徴的な本のための空間。

    知の積層を空間として体験出来るよう断面計画に工夫が凝らされています。

    外からは中を窺い知ることは出来ないが、中からは街並みを直接的に見返すことが出来るという。

    アイコニックな知の空間が街並みと連続して体感できることの文化的贅沢さ。

    この非日常性が街並みと直接つながっていることはアスプルンドによる天才的な発明。

    ストックホルム市民を心から羨ましく思います。

    以上、アトリエハレトケ長崎が今回はストックホルムよりお送りしました。

    ここから船旅でヘルシンキへ戻ります☺️

    また次回をお楽しみに!!

  • Posted 2023.9.21
  • こんにちは。永峰昌治建築設計事務所の永峰昌治です。昨年完成した古民家リノベーションのご紹介です。

    既存建物は南北に奥行きが深いため、日本庭園に面する南側の和室は明るく開放的であるのに、北側の居間や食堂は暗く閉鎖的でした。北西の一部をえぐるように減築し、伝統的な町屋でみられるような中庭をつくりました。中庭に面して食堂を配置し、また和室との壁を取り払うことで、食堂からも日本庭園を眺められ、開放的な空間となりました。

    ご夫婦共に楽しまれるロードバイクのためのスペースと在宅勤務のためのワークスペースはお互いが適度な距離を取れるように各所に配置してあります。

    外観は既存のままとしていますが、和室の奥に中庭の光がチラッと見えています。
    和室と食堂、中庭のつながりです。床を黒くして既存部分と違和感が出ないように気をつけました。
    南北に風が通り抜けるようになりました。庭を眺めながらロードバイクのトレーニングも楽しめます。こちらは奥様のためのスペース。
    和室は畳表や襖紙を張り替えただけです。残して活かすのも大切です。
    和室の横にもロードバイクのトレーニングとメンテナンスをするためのスペースがあります。こちらは主にご主人のためのスペースです。
  • Posted 2023.9.18
  • アトリエハレトケ長崎です。

    (前回の続きです)ヘルシンキの後、人生初のコペンハーゲンに飛びました。

    コペンハーゲンは自転車の街。中央駅の前でもこの自転車の山です。

    鉄道にも自転車専用車両が用意されていて、これにはビックリ。

    街路によって、自転車が滑らかに動けるよう歩行者が歩ける範囲が図示されているあたり、文化の違いを痛感。

    コペンハーゲンもまた北欧的なコンパクトシティで中央駅周辺の徒歩圏内(もしくは自転車圏内)には名所・名建築がひしめきあっています。

    こちらは私が岡部憲明アーキテクチャーネットワークに勤務していた25年ほど前に王立劇場の国際コンペで競い合った設計事務所による複合ビル。流石のデザイン。国際的な構造設計事務所であるARUP社が入居しています。

    その向かいにはディズニーランドのモデルとなったチボリ公園が。1843年の開園から180周年を迎えています。

    東京駅に隣接してディズニーランドがあるようなもので、実はこれ、市民を骨抜きにして王室の政治から目を逸らすためにつくられたらしいですが、都心の超一等地に市民の憩いの場がある都市構造の豊かさに驚嘆。しかもアトラクションがどれも魅力的かつハイレベルで、ウォルトディズニーが通い詰めてディズニーランドの構想を練った、という伝説にも納得です。

    こちらはアルネ・ヤコブセン設計の名作ホテル。

    ここでは世界的に有名な螺旋階段を体感することができました。

    モノとしての構造と構法の美しさで人類の歴史に残る王道のデザイン。

    変化のスピードが速い現代においてこのようなデザインの実現は難しいこともあり、否が応でも時代の流れを感じてしまいますね。

    そして今回のコペンハーゲン訪問のハイライト、世界で一番美しいと言われる美術館「ルイジアナ美術館」へ。

    建築と自然と人の手の入ったランドスケープとが融合した幸福度の高い環境。

    コロナ禍に抗うように世界中から多様な人々がここを訪ね、アートと食事と交流を楽しんでいる様子がとても印象的でした。

    まるで絵画のような風景でしょう?これこそ人間的豊かさの体現だ!と感動しました。

    世界的に有名なジャコメッティの部屋。彫刻を展示する空間の大きさ・プロポーション・構成の教科書のような空間に唸りました。

    そしてDana Shutzの特別展で夢中でスケッチをする親子に、自由と自己責任が浸透している高次元の精神文化の豊かさを目の当たりにし、あぁ・・・なんでも管理されないと気が済まない日本のままでは、この文化レベルにはいつまで経っても届かないな、との危機感を強く持ちました。

    こちらはコペンハーゲン中央駅。

    今の駅舎は1911年に完成してすでに100年以上を経ていますが、まるで鉄骨造のようにも見える美しい集成材による木造アーチが見事で、当時の建設技術の高さを現代にまで伝えています。

    100年以上前に生み出された建築や空間や施設が今も生き生きと日常的に使われているコペンハーゲンの街の様子を見て、現代をつくる建築家としての自分の役割の重さを痛感する滞在となりました。

    以上、アトリエハレトケ長崎がコペンハーゲンよりお送りしました。

    ここから鉄道で空港へ向かい、次はストックホルムへ飛びます。

    また次回をお楽しみに!!

  • Posted 2023.8.10
  • こんにちは、リツデザイン一級建築士事務所の吉田です。

    前編、中編とご紹介してきました前川國男自邸の後編、最終回となります。

    本建物は江戸東京たてもの園にて見学可能です。

    今回は寝室から。

    こちらも居間同様スクエアに仕上げられたモダンなインテリア。

    寝室と対象の位置にある書斎。

    こちらには収納の中に洗面が付属しています。

    造作の収納の中にもタイルを貼り込むことで引き締まった空間になっていますね。

    最後になりましたが玄関の見返しです。

    内開きの玄関ドアに低めのベンチが作り付けられています。

    決して広くない玄関ですが、内外のつながりや明快なエリア分けによって狭苦しさを感じさせません。

    さてここまで3回にわたりご紹介してきました前川國男自邸、いかがでしたでしょうか。

    建物を写真で見るのと、空間を体感するのとでは全くの経験です。

    ぜひ一度足をお運びいただくと今までにない空間体験ができるものと思います

    我々田都会の家づくりでも、竣工案件の内覧会を行っております。

    個人の住宅がお引渡しになる前のほんの一時だけ開催させていただく内覧会。

    もしタイミングが合います際にはぜひご参加くださいませ。

    お会いできることを楽しみにしております!

  • Posted 2023.6.26
  • こんにちは、リツデザイン一級建築士事務所の吉田です。

    前回に引き続き前川國男自邸再訪のご紹介です。

    おさらいですが、前川國男自邸は江戸東京たてもの園に移築展示されています。

    園の観覧費用はなんと一般400円と格安で、見学すべき建物も多く、公園としてもとても魅力的ですのでぜひ一度訪れてはいかがでしょうか。

    前回は居間の写真をご紹介していましたので続きから。

    シンプルな照明器具で居場所が演出されています。

    台形のダイニングテーブルも空間の特性を意図しているように感じました。

    ペンダントライトもオリジナルで制作されているのでしょう。

    細部まで手の込んだデザインとなっています。

    ダイニングテーブルと台所の間には小さな給仕口が。

    雪見障子のある窓の手前にも小さなカウンターが配置されています。

    ダイニングから台所や浴室、寝室に入るドアはプライベート感を高めるためか背の低いアーチドアになっています。

    比較すると、玄関から居間へのドアは大きく人を迎え入れるように設計されていることが伝わってきます。

    白色でまとめられている台所は庭に面した明るい空間です。

    対面キッチンも素敵ですが、正面が窓というのも気持ちが良いですね。

    台所の隣にある浴室。

    竣工は1942年ですが、現在2023年でも通用するデザインですね。

    ミラーキャビネットが壁裏に仕込まれているのが気になります。

    ちなみに玄関側に配置されている客用トイレもなかなか美しいデザインです。

    またしても長くなりましたので、寝室や書斎、玄関などのご紹介は後編に譲りたいと思います。

  • Posted 2023.6.8
  • アトリエハレトケ長崎です。

    5月下旬に5年ぶりの北欧旅行をしてきました。その時の話を数回に渡ってお届けします。

    今回訪ねたのは、ヘルシンキ・コペンハーゲン・ストックホルムの3都市。

    まずはヘルシンキに到着して最初に、今回の最大の目的の一つである、新しい中央図書館「Oodi」へ。

    5年前は施行中でした。それでもその迫力ある姿は脳裏に張り付いて忘れられません。

    完成形がこちら。とてもダイナミックにうねる図書館複合建築です。

    3階建てで、1階がエントランスとホールと食堂と映画館、2階がコワーキングスペースとワークショップ、3階が図書館となっています。(ちなみに地階には完全ジェンダーフリーのトイレがあります)

    そして全てのフロアが、あらゆる人々に対して、広く開かれています。

    うねる建築自体が大きな庇となって中央駅すぐ脇の都市広場を覆っています。写真右手に見えるクジラのような建築は、KIASMAと呼ばれる現代美術館です。

    この螺旋階段で3階の図書館まで上がることができます。(ガラス越しの背後に国会議事堂が見えています)

    上がった先にはこんなステキな図書館スペースが広がっています。床自体も3次元にうねっています。

    一番高い場所では地元の女子高生がお弁当を一人で食べていました。

    ソファで朝から横になって寝ているオッサンも。

    誰もが自由に出入りして自由な時間を自由な居方で楽しめるのがすごいな、て思います。

    これが日本社会だとすぐに「飲食禁止」と管理しちゃうところですが、フィンランドの社会は「自己責任をとても尊重する文化」です。成熟度がとても高いですね。

    (明確に日本社会はこの点において国際社会の中で非常にレベルが低いです。国内にいると気付けません。)

    見事なライブラリーランドスケープ。ユーザーが思い思いの時間を過ごしています。

    実は私も終わり切らなかった仕事に取り掛かりました(笑)Wi-Fi入るし。電源あるし。日本から到着したばかりなのに。

    そのまま奥上バルコニーに出ることも可能です。当たり前に斜めの床が使いこなされているのが斬新!

    このバルコニー最高です!

    このバルコニーからは、フィンランディアホール(左端に見切れています。改修中でした。)や・・・

    真正面には国会議事堂が見えるという贅沢な眺望。(左端に前出のKIASMAが見切れています。)

    つまり、ヘルシンキ中央駅のすぐ脇に、中央図書館・現代美術館・国会議事堂・現代音楽ホール・フィンランディアホールという5つもの文化施設に囲まれた極めて優れた都市広場が広がっているのです。

    これは世界でも稀な事例ですが、本当に素晴らしい都市計画です。羨ましすぎるぜ!!

    さすがフィンランド。いきなりのハイライト。唸りました・・・。

    以上、アトリエハレトケ長崎がお送りしました。

    次回はコペンハーゲンへ飛びます。(そして最後にまたヘルシンキに戻ってきます)

    お楽しみに!

  • Posted 2023.5.13
  • こんにちは、リツデザイン一級建築士事務所の吉田です。

    江戸東京たてもの園にある前川國男自邸を再訪しましたのでご紹介です。

    建築家・前川國男さんはル・コルビジェ、アントニン・レーモンドの元で建築を学んだモダニズム建築の建築家です。

    横浜にある私の事務所のすぐ近くにも神奈川県立青少年センターや神奈川県立図書館、神奈川県立音楽堂などの美しい建築を見ることが出来ます。

    夜も美しい神奈川県立音楽堂

    夜景も美しい神奈川県立音楽堂

    神奈川県立青少年センターのスケッチ

    紅葉坂の頂上に建つ神奈川県立青少年センター

    さて、そんな前川國男氏の自邸を見学できる施設があるんです。

    それは東京都小金井市にある屋外博物館・江戸東京たてもの園です。

    園の詳細はHPに譲るとして、前川國男自邸は品川区から移築された建物です。

    竣工は1942年(昭和17年)第二次世界大戦の最中、物資が限られた中で建てられました。

    外観

    外観は切妻屋根の力強い印象、電柱を再利用したという中央の丸柱、先に向かって太くなる破風板など、観るものに迫ってきます。

    外観

    移築前とほぼ同様に再現されているアプローチの距離感も美しいですね。

    自立している門灯も効いています。

    これは正確な再現なのか不明ですが小ぶりのポストもなかなか良いデザインです

    玄関と庭を仕切る大谷石積みも素敵です。

    内部に入ると切妻屋根の日本的な外観からは想像できないスクエアでモダンな空間が広がります。

    南側の大きな開口部に面する庭の先は、もともとは高台になっていたそうです。

    この開口部から遠景が見渡せたと考えるとより美しさが際立ちますね。

    見返した階段の先にある2階は書斎だったそうで、デイベッドが置かれた当時の写真が展示してあります(階段から先は見学不可)。

    南北の開口それぞれに2本ずつの丸柱が配置されているのですが、どちらも雰囲気の異なる中、1本しかないような印象を与えるのが不思議です。

    個人的には丸柱の光の回り込みなどでこのような印象の違いが表れるのではないかと勝手に推測しています。

    書いていて思い出しましたが、前川國男の師であるル・コルビジェの国立西洋美術館の展示室の丸柱からも同じような印象を受けました。

    とりあえず長くなりましたので続きは中編・後編でご紹介したいと思います。

    住宅の内部を見学できる施設というのはそう多いものではありません。

    新緑の美しいこの時期に、ぜひ一度見学に訪れてみるのはいかがでしょうか。

  • Posted 2023.4.25
  • アトリエハレトケ長崎です。

    すっかり春ですね。皆さんお元気にお過ごしでしょうか?

    先日、お伊勢参りをしてきました。

    伊勢神宮の外宮である豊受大神宮

    初日に外宮にお参りをして神楽殿でご祈祷をしていただいて、翌日に内宮にお参りをしました。

    皇大神宮(内宮)へは五十鈴川を渡ってお参りをします

    あらゆる工作物や建築物が木造で造られています。

    五十鈴川を渡る宇治橋

    五十鈴川を渡る宇治橋さえも純粋な木造です。

    床板も檜の無垢材。節の凸凹が美しく歩いていてとても楽しいです。

    床板や欄干は(ひのき)ですが、橋脚の部分には、より水に強い(けやき)を使用しているそうです。

    手水舎の屋根。

    手水舎の屋根はおそらく柿(こけら)葺きと思われますが、屋根葺き材をまとめているけらば(妻面)の破風板の細工に注目。凄まじい技術です。

    ちなみに「柿(こけら)」と「柿(かき)」は異なる漢字です。どこがどう違うかわかりますか?

    ご神馬の参拝に遭遇

    とても美しい光景に出会うことができました。お馬さんと一緒に参拝です。

    毎月「1日」、「11日」、「21日」に執り行われる参拝を終えてひと休み中の草新号さん

    アングロアラブ種の鹿毛がとても美しいお馬さんです。

    でもご神馬が国産固有種でないのはなぜなんでしょうね?(ここ、かなり大切だと思うのですが・・・)

    五丈殿

    雨天の神事に使われる五丈殿も掘立柱の純粋な木造です。

    とてもシンプルですが、大工技術の粋を集めたつくりで息を呑む美しさです。

    五十鈴川の流れは目にも耳にも美しく心が洗われます

    ちょうど良い季節でしたので、満開の桜も楽しむことができました。

    満開の桜

    数年ぶりのお伊勢参りは、心をしっかりと洗うことができ、たくさんの学びを得る旅となりました。

    引き続き初心を忘れず、建築の道に精進して参りたいと決意を新たにしました。

    というわけで、今回はアトリエハレトケ長崎がお送りしました。

    いやぁ、建築って本当に楽しく美しく素晴らしい文化ですね。

    それではまた次回。元気にお会いしましょう!

  • Posted 2023.3.9
  • アトリエハレトケ長崎です。

    2023年3月10日。新たな住まいの棟上げを完了しました。

    大工の棟梁(とうりょう)と鳶(とび)の頭(かしら)が力を合わせて棟上げしたものです。

    かつての棟上げはご近所も交えた一大祭事でした。

    建主ご家族が餅まきをすると、近所に住む子供たちが集まってきて、皆で賑やかにお祝いごとを共有する、といった風景があったそうです。(私はこれまで一度だけその経験があります)

    棟梁と頭(かしら)が木遣り(息を合わせるための労働歌)を歌ってくれたこともありましたね。

    そして上棟式の後は直会(なおらい)と言って、建主さまを交えて大工や鳶の皆さんと夜遅くまで宴会したものです。

    最近ではそんな風景も珍しくなってしまいましたが、棟上げは何度経験しても本当に気持ちが上がります。

    実際にはまだ工事の道なかばですので、ここからが本番、というタイミングでもありますが、更地だった土地に基礎が打たれ、その上に土台が敷かれ、その上に柱と梁が組み上げられる、というプロセスは、空間が一気に立ち現れることもあって、家づくりの中でも特に気持ちが高揚する魔法のようなタイミングです。

    ここから壁や窓を設置して、屋外と屋内を仕上げて・・・と工事がどんどん具体的に進んでいくわけですが、しっかりと気持ちを引き締めてより良い成果を引き出すべく、お客様と二人三脚で頑張っていきたいと思います。

    というわけで、今回は、アトリエハレトケ長崎がお送りいたしました。

    建築家との家づくり。皆様もぜひご一緒しませんか?

    ぜひお気軽にご相談くださいね。

  • Posted 2023.1.26
  • アトリエハレトケ長崎です。

    昨年、コーヒー専門店を設計するご縁に恵まれました。

    場所はなんと鎌倉駅から徒歩3分の好立地。

    小町通りから少し入ったところにオープンしたそのお店の名は「27 Micro Roast」と言います。

    店頭に立つ葛西甲乙さん

    葛西甲乙さん率いる「27 Coffee Roasters」の新しいコンセプト店舗で、生産者とのつながりを大切にする「27」ブランド共通理念のもと、ホンジュラスから直接仕入れた厳選された珈琲豆の焙煎販売を軸に、腕利きのバリスタが淹れたてのスペシャルティコーヒーを提供し、軽食も楽しめる居心地の良い複合的なカフェとなりました。

    2022年11月16日グランドオープンしました
    スペシャルティコーヒーの専門店です
    テイスティングカウンターの背後に2台の焙煎器が神々しく鎮座
    店舗内で飲食いただけるのはもちろんですが、店舗の外にも鎌倉の街を眺めながら一服できる快適なコーナーを設けてあります

    焙煎工場・豆販売店・カフェという三つの機能が三位一体となったスペシャルティコーヒーの専門店です。

    鎌倉にお出かけの際には、特別な一杯のコーヒーを味わいに、是非一度足を運んでみてください。

    これまで知らなかったコーヒーの楽しさ・美味しさに、きっと出会うことが出来るはずです!

    以上、アトリエハレトケ長崎がお贈りました。

  • Posted 2022.12.16
  • アトリエハレトケ長崎です。

    毎年秋に、京都に1週間ほど滞在して、日本の伝統文化と最新の都市文化を学ぶ機会にしています。

    今回は、桂離宮を訪ねることが出来ました。

    書院の一部

    メディアに多く登場するこちらの「書院」は、今年の11月まで改修の大工事の最中で、残念ながら拝見することはできませんでしたが、それ以外の庭や建物だけでも見応えたっぷり。ご案内いただいた解説員の方の名調子と相まって、大満足の1時間を過ごすことが出来ました。

    松琴亭一の間

    松琴亭の一の間の床と襖には青と白の唐紙が市松模様に貼り合わされており、現代から見ても新しく斬新な意匠だと感じました。

    松琴亭(茅葺入母屋造の茶亭)
    月波楼

    こちらは月波楼ですが、各建物が必ず隣接する風景と密接につながるように建てられているのが印象的です。

    笑意軒の窓からは、隣接する田園風景を望むことが出来ます

    こちらは笑意軒。近隣の田園風景までをも建物内に取り込んでいることに驚きました。窓下の痛んだ箇所に金箔を貼って補修されていますが、その貼り方がとても尖っていて斬新です。こういうところに日本独自の意趣が表れていると思います。真面目に問題に取り組んで「型」を持つことはもちろん大切ですが、どうしたらより面白くなるか、真剣に課題と向き合う中で発見できる「新しいズラし方」=「型破り」こそ、日本文化の本質なのだと思い知る気持ちでした。

    型があるからこそ型破りがある。規格があるからこそ破格もある。

    黒文字垣

    こちらは黒文字というクスノキの仲間で作られた繊細な垣根。高級な爪楊枝としても用いられる樹種ですが、ここまで大胆に使われるとは、何たる贅沢。さすが歴代天皇の別荘です。

    桂離宮の紅葉

    時節柄、紅葉も見事で、本当に見応えたっぷりの庭園と建築でした。お腹いっぱい。

    この環境が街中にあって、日常生活と隣り合いながら、いつでも誰でも訪ねることができる。

    やはり京都ってすごいな、て思います。

    季節を変えて是非再訪したいと思います。きっと新たな学びを見出すことができるでしょう。

    以上、アトリエハレトケ長崎がお送りしました。

    みなさま、2022年も残すところあとわずかですが、年末まで健やかに過ごしてまいりましょう!

  • Posted 2021.8.31
  • こんにちは、リツデザインの吉田です。

    近年横浜みなとみらい地区では建築ラッシュ。

    特にホテルと音楽ホールが続々と竣工しています。

    ホテルで言えば、オークウッドスイーツ横浜、ザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜、ハイアットリージェンシー横浜、インターコンチネンタル横浜Pier 8、この後だとウエスティンホテルやフォーシーズンズホテルの開業を控えています。

    音楽ホールだと、ぴあアリーナ、KT Zepp 横浜、Billboard Live YOKOHAMAがオープンし、この後もKアリーナや横浜ユナイテッドアリーナ&横浜武道館、などなど大小様々なイベントホールがオープン予定。

    横浜に住む私としては楽しみでならなかったのですが!

    と、ここまで書くと、あー、、、ってなりますよね。

    そう、竣工と同時に、とっても残念なことにコロナの真っ最中。

    音楽ライブも旅行も今はおあずけ。

    今は夜の横浜散歩を楽しんでいます。

    でも人の少ない静かな横浜港もなかなか素敵です。

    この日はハイパームーン。

    ハンマーヘッドの上空に満月が輝いていました。

    みなさんが安全に過ごせますように。

  • Posted 2021.2.9
  • 皆さまこんにちは。アトリエハレトケ長崎です。

    緊急事態宣言の延長が確定し、今しばらく忍耐の時が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?

    先日とても素敵な公園に出会いました。平和の森公園大森ふるさとの浜辺公園。おそらくご存知の方も多いと思いますが、私の自宅から車で20分のところにこんな素晴らしい水辺のオアシスがあるとは!先週末まで知りませんでした!

    アスレチックフィールドもあり。
    子供たちが楽しそうで、大人もめっちゃ羨ましくなる風景。
    絶景の超ロングローラースライダーあり。
    こちらは親御さんも一緒に楽しめます。
    水際スレスレまで降りて行かれるテラスあり。
    デートに最適?!
    何とビーチバレーまで!
    ちゃんと使われていてビックリです!
    砂浜まである上に、当たり前に舟を持ち込んでる人たちまで居るし!
    というか、おそらく舟漕いでここまで来てますよね?!

    こんな感じでまぁ、テニスコートや、弓道場もあるし、相撲場もある。とにかく盛りだくさんの欲張り公園です。が、その全ての空間を老若男女の皆さんはもちろんのことワンコたちまでもが(!)隅々まで使いこなしていて(←コレ大事!)とってもビックリ&とってもハッピーな気持ちになりました。やっぱり公園はこうでなくては!

    そしてそして。建築好きにはたまらないご褒美まで用意されています。

    建築好きなら泣く子も黙るヤマトインターナショナル(1987年)の勇姿。
    設計は原広司&アトリエファイ。

    なんと、この公園。ヤマトインターナショナルという非常に有名な建築作品に隣接しているのです!

    巨大建築物の足元にこんな水景があるとは、35年近くもの間存じ上げませんでした・・・。
    原広司さん特有の空間言語が、そこかしこで炸裂しております。
    これこれ!これこそまさに原広司さんのアイコニックイメージ!
    それにしてもよく見れば見るほど、天才的なこだわりが随所に。
    全長140m・地上9階建ての巨大建築でありながら、どこかヒューマンな魅力のある不思議な建築。

    私の学生時代の恩師の1人、原広司先生の代表作にしてアイコンの一つです。

    私が大学院の時、原先生は、この建物の完成から10年の時を経て、京都駅ビルの設計を手がけていました。

    「未だ見ぬ一枚の絵を描くこと。それこそが君たちに課せられた使命だ。」

    これが原先生の口癖でした。

    原先生ご自身は、大阪の梅田スカイビルの設計において、二つの高層ビルの頂部をつなぐ夢想を実現することでそのことを達成しました。

    その先生の初期の代表作がこちらのヤマトインターナショナルです。

    この圧倒的な熱量の名作建築を目の前にして、自分もまた「未だ見ぬ一枚の絵」を描けるのか?そう自問自答しつつ、襟を正して自らの建築と向き合う覚悟を新たにするのでした。

    東京の水辺にアクティブな公園や有名建築まで、盛りだくさんな環境がここにはあります。遊び倒すも良し、水辺でのんびりピクニックをするも良し、名作建築を見上げながら思索に耽るも良し。様々な楽しみ方が出来るこの公園に、皆さんも是非一度足を運んでみてください。1日中思いきり楽しむことが出来ますよ!

    以上、本日はアトリエハレトケ長崎がお送りしました!

  • Posted 2020.6.8
  • アトリエハレトケ長崎です。
    皆さま、いかがお過ごしですか?

    東京都の緊急事態宣言は解除されましたが、ワクチン登場まで予断を許さない状況がまだまだ続きそうですね。
    この2ヶ月間は「コロナ狂想曲」とも言うべき大騒ぎが、日本国内のみならず、世界中で巻き起こった事でしょう。
    この大騒ぎを通じて、私が学んだのは「自分と異なる他人を尊重すること」の大切さでした。

    「自粛警察」と言う不穏な言葉が流行しています。
    「コロナ自粛」に反する行動に対し、その行動をとった個人や団体を諌める動きのことだと理解しています。
    「善意の注意」も行き過ぎては「余計なお世話」になり、度を超えた「他者否定」となり、取り返しのつかない「負の感情」を生み出してしまいます。

    かく言う私も、街中でマスクをしていない人を見ては、ギョッとしたり、なぜマスクせずに出歩くのだろう?と思ったり、マスクがないなら出歩かなければ良いのに、と考えたり、自分の心の中にモヤモヤと黒い感情が煙のように湧き上がるのを感じたことが何度もありました。
    でも、これは「他人への配慮」を欠いた「価値観の押し付け」に他ならないと思います。
    おそらくマスクなしで出歩いていた人々にも、やむを得ない事情があったはず。
    どうしてもその状態で出歩かざるを得なかったのかもしれません。
    マスクがなくなってしまって探し求めていたのかもしれないし、道の途中で落としてしまって家路を急いでいたのかもしれない。
    そもそも情報に疎くてマスクの必要性に気づいていなかっただけかもしれません。

    つまるところ「自分の価値観を他人に押し付けてはいけないのだ」と言う当たり前のことに気づきました。
    「他人を変えることは出来ない」けれど「自分が変わることはできる」
    「自分の正義」と「他人の正義」は違っていて当たり前。
    当たり前のことなのに、真面目な人ほど、正義感が強い人ほど、「自分の正義」を他人に押し付け「自分と同じ正義」を他人に求める傾向が強くあります。(お恥ずかしい話ですが、正に私自身がそれでした。そのために長年大切に思って来た友人を失ってしまった経験もあります)

    「コロナ狂想曲」のおかげでようやくそんな当たり前のことに気づくことが出来た、なんてお恥ずかしい限りですが、
    「他人を尊重する」と言うことは「自分と他人との違いを当たり前のものとして受け止める」と言うことに他ならないのだ、と改めて学びました。
    「他人に優しく」あるためにこそ「自分に厳しく」なければならない。
    そんなことを考え、もっと成長しなくてはいけないと学んだこの2ヶ月間でした。

    金子みすゞは詠みました。
    「みんなちがって、みんないい」

    皆さんは、どのような事を考えましたか?

    アトリエハレトケ長崎でした。

    p.s.
    最後にお知らせです。
    2020年06月01日。
    弊社のウェブサイトをリニューアルしてリリースしました。
    https://haretoke.co.jp
    これまで以上にたくさんの作品と大きな写真をご紹介しております。
    ぜひご覧頂ければ幸いです。
    皆さまの毎日が穏やかで無事でありますように。

  • Posted 2020.2.19
  • アトリエハレトケ長崎です。
    今年もまた卒業制作のシーズンがやって来ました。

    建築学科の学生たちは、「卒業論文」とは別に、設計学習の総仕上げとして「卒業制作」を行い、学生生活を修めるのが一般的です。
    学部4年間の集大成とあって、学生たちは皆、全身全霊をかけて「卒業制作」に取り組みます。
    もの凄い集中力で皆が取り組むので、成果品は質量ともに素晴らしいものが多く、見るものを唸らせるものも。


    ↑こちらは理科大の卒業制作作品。
    陸海空をつなぐ物流センターを東京湾岸につくるという提案で、現代的で実験的なアイディアが盛り込まれた魅力的な提案でした。


    ↑こちらは電機大の卒業制作作品。
    電機大は構造系学生の作品レベルが非常に高い伝統があり、この作品もその一例です。

    卒業制作を終えると、学生たちは卒業を迎え、社会へ出て行きますが、中にはさらなる進化を求めて大学院に進むものも居ます。
    建築系の大学院では、学部で身につけた知識と技術をさらに深化させて、自らの興味を学術的に掘り下げていくことになります。
    そして、修士の2年間を修める際にも、大学院の学生たちは「修士設計」に取り組みます。


    ↑こちらは理科大の修士設計作品。
    修士ともなると、卒業制作からさらに深く踏み込んだ内容で、質がとても高く、2年間で飛躍的に成長しているのが明らかに分かります。

    これだけの熱量を「論文」とは別に「作品制作」にも注ぎ込んで修めるという点で、建築は、とてもユニークで魅力的な学問だと思います。

    私たち建築家も、卒業制作シーズンの学生たちに負けぬよう、熱い毎日を生きています。
    建築家にとっては、言ってみれば、毎日が卒業制作です。
    昨日より今日、今日より明日。
    より豊かで明るい未来を描くべく、気持ちを引き締めて、一生懸命に生きて行きましょう!

    アトリエハレトケ長崎でした。

  • Posted 2019.6.12
  • アトリエハレトケ長崎です。
    今回は「建築と植物」の幸せな関係について学んだお話。
    私たち田都会のメンバーは、建築家賛助会も、互いの技術や知見を深めるため、定期的に勉強会を開催しています。
    その一環で先日、賛助会の一員「en景観設計」の横浜市は鴨居にあるショールームを訪ねる機会がありました。

    鶴見川に面した土手沿いの気持ち良いお店です。

    緑があるだけで、入り口はこんな素敵な雰囲気。中に入ると緑溢れる世界が広がりもっと素敵!

    ↓奥に居るのが、en景観設計の代表、中山大輔さん。グリーンへの熱い想いは誰にも負けない!どこまでも愛情深く「建築と植物」を語る!

    真剣に聞き入る田都会の建築家たち。↓左から、臼井・松田・遠藤。中山さんの興味深い「建築と植物」のプレゼンに皆が真剣です。

    ↓左から、新メンバーの白砂・青木・小嶋。建築が単独で出来る事には限りがあるけれど、緑を効果的に用いる事で、建築も植物も人までもが生き生きと輝き、魅力活力に満ちた世界を生み出せる!と皆、思い思いに想像を膨らませています(多分その筈!!)。

    生き物である植物をどのように用いるか。植物も元気になれて、建築も美しくなれて、そこを使う我々人間も生き生きと過ごすことが出来るためのコツを多様な具体例を紐解きながら、中山さんは丁寧にレクチャーして下さいました。

    ぜひ、皆様も「en景観設計」を一度訪ねてみては?!
    「田都会のブログを見て来た!」とお伝えいただくと、何か良い事があるかも!?

    以上、今回は「建築と植物」の幸せな関係について学んだお話を、アトリエハレトケ長崎がお送りしました。

  • Posted 2019.4.1
  • アトリエハレトケ長崎です。
    今回は車のデザインについて。
    先日、イギリスのスーパーカーメーカー「マクラーレン」の東京ショールームを訪ねる機会がありました。
    最先端のデザインやモノづくりの精神について、建築と車両とで何が同じでどう異なるのか、じっくり考えてみたいと思ったからです。

    こんな先鋭的なデザインに革新的な性能を秘めたモンスターマシンを間近に見ることが出来ます。

    このショールームの素晴らしいところは、この美しい外観の下に隠れているシャシー(骨組み・構造)が展示されていること。

    アルミとカーボンファイバーの複合フレームにエンジンやシートが乗っていることが良く分かります。

    細部に至るまで最先端技術の集積なのですが、特に目を引くのは、アルミとカーボンファイバーの接合部。

    アルミとカーボンという強度や変形特性が異なる素材同士をどのように接合しているのか、興味津々です。
    それぞれの素材特性を活かしたフレーム形状やつくられ方も見逃せません。

    様々な課題をクリアして、このような美しいスーパーデザインが実現出来る訳です。

    普段目に触れる外観だけではなく、その皮膜の下にどのような構造や性能が隠されているのか。
    それをどのように統合し、美しく表現するのか。

    車のデザインは、建築と異なるようでいて、実は多くの共通点を持ったとても魅力的な世界です。
    優れた建築のデザインは、建築の世界だけを見ていては、決して生み出すことが出来ません。
    私たち人間の社会的営みへの愛情あふれる眼差しや好奇心を常に忘れないことが大切だと私は信じています。
    素材を知り、技術を学び、それらを統合する職人たちをリスペクトしながらデザインの新しい価値を引き出したい。
    そんな思いを新たに、前向きな気持ちでショールームを後にしました。

    以上、今回は最先端の車のデザインについて、アトリエハレトケ長崎がお送りしました。

  • Posted 2018.11.27
  • アトリエハレトケの長崎です。
    11月は賛助会の日東製陶所(磁器質タイル)とTLCアソシエイツ(湿式煉瓦)の工場見学ツアーを行いました。
    とても刺激的な見学会で、勉強になりましたが、かなりディープな企業秘密満載のため、なかなか写真でお見せすることが出来ません。
    その代わりと言ってはなんですが、とても美しい伽藍を訪ねてきましたので、そちらの写真をご紹介致しますね!

    こちら、多治見市の虎渓山「永保寺」です。

    アプローチから見えるこちらの重厚な屋根。期待感が高鳴ります。

    こちらが本堂です。

    実はこちらにはとても有名な二つの国宝があります。
    まずはこちら。国宝・観音堂です。
    屋根の反り(テリとも言いますね)が急で先端ではピン!と逆勾配にまでなっています。

    別な角度から見るとまた違った姿に。紅葉が見事でした。

    美しい池に架かった木橋を渡ってアクセス出来ます。

    それからもう一つ。
    こちらが国宝・開山堂です。

    こちらも屋根の反りが見事ですね。
    今から700年近く前にこのような素晴らしい木造建築と庭園が生み出された事実に想いを馳せると、建築文化を深化させるものはやはり時代のニーズなんだなぁ、と感慨深く思います。

    翻って、現代を生きる私達は、日進月歩の目まぐるしく変化の早い時代にあって、どんな建築を生み出していくことが出来るのでしょうか。
    そしてそれらは未来の子供達からどのような目で見られるのでしょうか。
    色々と想像をして見ると楽しいですね。

    良い建築を丁寧につくっていきたい。
    そのために良いクライアントと二人三脚で歩んでいきたい。
    そんなことを思う秋の夜長でした。

    アトリエハレトケの長崎でした。

  • Posted 2018.9.28
  • アトリエハレトケ長崎です。
    先日、大学院時代の同級生が結婚しました。
    結婚式が執り行われたのは、世界的に有名なこちらの教会。

    都内文京区にあるカトリック関口教会でした。
    こちらの教会は丹下健三の設計で、前回の東京オリンピックの年に完成しました。
    1964年ですから、今から54年前ですね。
    半世紀以上もの間この地にあって、人々の活動を見守ってきたわけです。

    この教会の一番の特徴はその形状で、空から見ると十字架の形をしています。
    神様と人々のどちらに対しても開かれていて、両者を取り結ぶ建築と言う訳です。

    屋外は金属の仕上げでキラキラと空模様を鈍く写し込む姿が美しい佇まいです。
    中に入ると荒々しいコンクリート打ち放しのHPシェル形状が迫力ある神々しさを表現しています。
    (内部は式の最中しか撮影できなかったため写真はお見せできずスミマセン。)

    それにしても美しい立ち姿。中もとっても素敵です。
    未体験の方は是非一度足を運ばれてみて下さい。
    半世紀を経てもなお、人々に愛され、我々と共に生きる建築。

    そんな時を超える力を持った建築を追い求めて、いつかこの手で生み出したい。
    それが建築家としての私の夢です。
    アトリエハレトケ長崎でした。

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