建物や塀で囲まれた中庭を持つ建物、住宅のこと。中庭は、外の空間から完全に遮蔽され、プライベートな空間でありながら、半ば戸外空間でもあり、採光や通風を確保することができる。防犯上も、メリットのある様式である。（中略）形態からいうと、ロやコの字型、或いはＬ字型などの選択肢がある。（ウィキペディアから引用）

はい、建築業界で一般的に言う「コートハウス」とは、概ねそのような認識でよろしいかと思います。そして当事務所で設計する住宅は、「コートハウス」になる割合が非常に多いです。特に最近ではその確率は半分を超えるかもしれません。

その理由のひとつは、ちょうど「コートハウス」に向いている敷地環境での設計を依頼されることが多いこと。具体的には建蔽/容積率が50/100、1種低層、準防火地域という場合。庭は確保できるけど、隣戸の視線が気にならないほど離れてはいないという立地の時にコートハウスの威力が発揮されます。

もう一つの理由は、私自身、「コートハウス」が優れたシステムと認識し、よって提案することが多いこと。特にプライバシーと開放性の両立ができるところが気に入っており、更に中庭を囲む壁が防火塀代わりとなり、防火規制が外れる部分には大型の木製サッシを採用したりしています。

そして最後に、「コートハウス」の事例が多いとHPなどでそれを見て、似た住環境や類似する住宅の構成を好まれる方からお問い合わせいただき、それが繰り返される…、という具合です。

写真は、そんな当事務所設計の最近のコートハウスの一例、土支田О邸です。LDKの床材は中庭と同じタイルなので内外の一体感がより強調され、より大きな解放感が得られます。いかがでしょう？