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暮らしに会いに
1年半経って「住み心地はどうですか?」建築家と建てた住まいを訪問
  • 際立つ白さと透明感あふれる美しい空間。
    空に、海に、山に、立体的に開く高台の家

  • 鎌倉市Hさんの家
  • 設計:田井勝馬建築設計工房
  • 撮影:花岡 慎一
1階はキッチンとダイニング、テラスがフラットに繋がり、視線を上げればリビング、そして2階の気配まで感じる。
キッチンはシステムズヤジマでオーダー、ダイニングのペンダントライトはドイツのLIMBURG社製

この家に住んで気づいた山と空の魅力。
2 階のワークスペースの窓の先は緑、
テラスから見える海や星空は格別です(ご主人)

真っ白でモダンな外観に目を奪われて誘われるようにアプローチを進むと、右側に浮遊する建物、真上は壁で切り取られた空が。室内のガラスの壁の先はダイニングと大きな4連窓が2階まで。「冬でも光が入ってポカポカ、夏は風が通るし庇の分、雨は入らない」機能的かつ独創的なデザインや、座っていても海を眺めることができるリビングとテラスを基点に家のすべてを繋げた空間づかいに、建築家とは平面と立体を自在に操る仕事だと実感します。土地は十角形で建物は六角形、ガラスを多用、5.6mの高い吹き抜けも緑を借景にした横に長いプレイスペースも「地形をデザインした」結果だと建築家の田井さんは話します。
できるだけオープンな環境で子育てをしたいHさんご夫妻が選んだのは小さな個室と長いプレイスペース。お子さんと椅子を並べて座るテーブルは奥行きもたっぷりで「使いやすい」(ご主人)。あえてアシンメトリーな天井で「動きを出す」設計も心躍る理由です。

座りながら海が見えるリビングのソファは特等席。
家族の気配を感じながら大きな空間に包まれる、
幸せな安心感があります(奥様)

「休日は建築の本を片手に街を建物探訪」するほど建築好きだったご主人。「保土ヶ谷で見たかっこいい家」を手掛けた「田井勝馬建築設計工房」は高校の先輩・柏原さんが所属する会社だったと知り、「いつかこんな家を建てたい」と決意。インテリア雑誌をよく読む奥様は「ガラスが家の中にある海外の家が好み」「鎌倉のカフェの木の使い方が素敵」と具体的なイメージを持ちつつ「とにかく立地が重要」と何ヶ所も土地を探したそう。
この場所は柏原さんに見てもらい大丈夫と言われて設計も迷わず依頼。初めての育児と8ヶ月間もの設計打ち合わせが重なっても「これから何十年も住む家だから」と時間を惜しまず「思い入れのある家ができて本当に満足しています」(奥様)。
光と風を通すシンプルな手すりやパンチングメタルの蹴上げ。
設計コンセプトの一つ「広がりを感じる空間構成」は細部にも徹底されている
Editor's Eye

家の中心を中2階にすることで生まれた大空間

玄関側の収納の1つを引き出すと奥に大容量の収納が。季節のもの、スーツケースなどが入っている。特筆すべきは引き出せる収納のデザイン。上部が凹み取っ手代わりになっている。同じデザインがリビング側にもあり、お子さんのギャラリーに(前掲写真)。機能をデザインする、田井さんのポリシーを垣間見た。

間取り図

間取り図

家づくりの流れ

2008年
「保土ヶ谷の家」(同社設計)に驚き憧れる
2014年8月
現在の土地に出会い、田井勝馬建築設計工房の柏原さんに相談、購入
2014年9月
打ち合わせスタート
2015年5月
着工
2016年1月
竣工

お住まいのDATA

所在地:神奈川県鎌倉市
家族構成:夫婦+子ども2人
敷地面積: 297.65m2(90.03 坪)
建築面積:73.83m2(22.33 坪)
延床面積: 92.97m2(28.12 坪)
工法構造:木造軸組工法
竣工年月:2015 年6 月

取材後記

鎌倉のH さんの家は、竣工して一年。私の今迄で一番お若い建主様でした。この若いご夫婦にとって、家族の成長に伴い、家も成長する住まいを創ってあげたい!そんな設計当初の思いが懐かしく甦りながら伺った取材でした。
出迎えてくれたご家族は、想像以上にこの家を住みこなしていました。当時1歳の男の子は、最早この家の名案内人。リビングテラスからは海が、スタディールームからは山が見えるんだよ。彼の指先は満足気に語り掛けていました。私が建主に説明した鎌倉の持つ魅力をこの子は私と両親に説明してくれているのです。優しく微笑んでいるこのご夫婦を見て、唯一無二のデザインがどれだけ大切なことなのか、そして建築家との家づくりが、建主の要望や夢を叶える事が出来る手段である事を改めて実感した良い機会でした。
二人目のお子さんもまもなく誕生とのこと。
この4人家族の成長と、この家の成長を見守って行きたいと思います。
ご協力ありがとうございました。