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家を住み継ぐということ
2019.12.9
津野 恵美子

津野建築設計室の津野です。

 

私は独立前、NASCAという、古谷誠章さん主宰の設計事務所で修行時代を過ごしました。その時古谷さんのご自邸である、ZIG HOUSE/ZAG HOUSEを担当させて頂きましたが、その家でNASCA25周年展覧会をやるということで、久しぶりにおじゃましてきました。

 

二世帯住宅のこの家は中央の屋根付きテラスを挟んで、L型の家が互い違いに配置され、上から見るとジグザグのカタチをしているのが名前の由来です。2001年2月竣工なので、なんと竣工約19年!

当時はご健勝だったご両親もこの世を去られ、当時まだ中学生だったお嬢さんが、大人になりたくましく、でもおばあちゃんやおじいちゃんの思い出と向き合いながら、大事に手を入れて自宅兼イベントスペースに生まれ変わらせました。

家の構成は柱と梁をコの字型に組んだ軸組に、編成材という、間伐材を組み合わせてブロック状にしたものから切り出した6cmの無垢のパネルをつなぎ合わせています。

規則正しく並んだ壁に展示された、懐かしいプロジェクト写真や古谷さんのスケッチを印刷したポストカードやパネル類。

 

 

この家が持つ強い構造システムと、機能を決めないおおらかな空間が、住宅の域をちょっと超えた用途も包み込んで、新たな居心地の良さを生み出していました。

家を住み継ぐという言葉では簡単でも、なかなかうまくいかず、壊されたり空き家のまま放置されたり、というのが日本の現状ですが、19年の重みを生かしつつ再生させた状態を見て、微力ながらも建設に関わった人間として感慨深いものでした。