暮らしに会いに
3年半経って「住み心地はどうですか?」建築家と建てた住まいを訪問
エントランス
  • 少しずつ大人になっていく子どもたちを見守りながら。
    10年後、20年後も安心できる、家族の未来が見える家

  • 世田谷Oさんの家
  • 設計:高橋 隆博 株式会社アトリエ秀
  • 撮影:花岡 慎一
キッチン

MINIの駐車場に妻の洋菓子店、ニ世帯・三世帯住宅を見越した 賃貸スペース、敷地の有効利用という要望に 「筋が通った」プランが出たのは高橋さんだけでした(ご主人)

閑静な住宅で見つけた赤い看板オレンジの扉ベージュのMINI、アイアンの手すりに杉の木目の天井そして奥にはスリットの入った硬質な玄関ドア。エントランスからデザインセンスが際立つこの建物は、店舗&賃貸兼用のO邸です。
ご家族の住まいは地下1階から地上2階まで、3階4階は貸貸物件ですが中で繋げることが可能、ご両親との二世帯を想定しエレベータを後付けできるよう1階から3階までの壁の一部に工夫が施された「将来の家族構成の変化にも柔軟に対応できる、いろんな形に変えられる家です」(ご主人)。
リビング
【リビング】 チェストはアフリカ駐在時からの愛用品。周囲を飾る個性的なオブジェは海外出張が多いご主人のお上産。
どんなに暑い夏でも「冷っとして涼しい」地下1階を家族の居室スペースに、1階は水回り、2階はリビングダイニングとコンパクトでシンプルな設計が特徴。中でもリビングはOさん家族のメインスペース。オープンキッチンは「声をかけやすいみたい」で、ごはんの時間だけでなく、食べ終わってからもずっとリビングで過ごすようになったお子さんたちとは「以前に比べて会話が増えました」(奥様)。

家族の思い出の地アフリ力から生まれた焼き菓子のお店。 お友だちのご縁で知り合った作家さんとの交流も増え、 充実した日々を送っています(奥様)

新婚生活を駐在先のアフリカでスタートしたOさんご夫妻。現地で大勢のゲストをフルコースでもてなしていた経験から、帰国後は「お料理やお菓子を教えてと言われることが多くて」(奥様)。中でも焼き菓子は人気が高く、講師を10年ほどされたほど。新築を機に念願のお店をオープン、営業日は週2日のみですが新作が出る日を心待ちにするお客さまも多く「子どもたちが時々手伝ってくれて、とても助っています」。平日も厨房にこもってお菓子作りをしていることが多い奥様を「社会と接点があるし、とてもイキイキとしていますよ」とご主人。今はお子さんたちと4人で、いつか「夫婦二人になっても」おいしい食事と会話に溢れた時間を過ごす、そんなご家族の未来が見えました。
Editor's Eye

目地を広くした、オリジナルデザインの外壁

オリジナルデザインの外壁
Oさんの家の外観で目を引く、レンガを3枚に割りボーダー状に積んだ壁。レンガより目地を太くすることでぬくもりや素朴さを表現。提案した高橋さんは「普通の壁では面白くない、提案するのが仕事」。奥様も「即決です。気に入りました」。

間取り図

間取り図

家づくりの流れ

2009年
家づくり検討開始
2010年
土地購入
設計・施工会社探し
2010年4月
高橋さんに相談
2011年2月
着工
2011年12月
竣工
(住宅&賃貸部分)
2012年2月
店舗完成

お住まいのDATA

所在地:東京都世田谷区
家族構成:夫婦+子ども2人
敷地面積:90.63m2(27.42坪)
建築面積:199.21m2(60.26坪)
延床面積:居住部分 130.71m2(39.54坪)
賃貸部分 A:34.55m2(10.45坪)
賃貸部分 B:38.46m2(11.63坪 ロフト含む)
共用部(通路、廊下、階段):18.36m2(11.74坪)
工法構造:RC構造
竣工年月:2012年12月

取材後記

写真左からOさん奥様、ご主人と建築家高橋さん

「どれもパットとせんのですわ」とハウスメーカーや設計事務所のプランを幾つか持っていらしたのが始まりでした。狭小ながらビルや住宅、店舗など様々な建物が混在する都心の一等地に佇むOさん宅は、ご夫婦の趣味から家族の将来など様々な要素をギュギュっと詰め込んだ住まいとなりましたが、ランドマークとしてしっかり街に溶け込み、早くもご家族それぞれの良い「ダシ」が染み込んだ、美味しそうな「Oさん家」になっていました。久しぶりの関西出身のお二人の絶妙な掛合いと、奥さまのこれまた絶妙な手料理、本当に御馳走さまでした。