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東山旧岸邸
2019.3.5
遠藤 誠

遠藤誠建築設計事務所、遠藤です。

先週末、御殿場東山にある旧岸邸を訪れました。https://www.kyu-kishitei.jp/

この家の主、岸さんとは第56、57代の内閣総理大臣、岸信介(現、安倍首相のおじいちゃん)のことで、設計は近代数寄屋の大建築家、吉田五十八(いそや)です。個人的には五十八フリークなほうでは無いですし、行こうと思えばいつでも行ける距離のせいもあって、なんとなくこれまで訪問を見送っていたのですが、先日ある知人から「やっぱりいいですよ!」とのアドバイスもあり、今回御殿場に馳せ参じました。

で、その感想はと言いますと…、何とも不思議な感じで、少なくともパンフレットの説明にあるような「五十八晩年の建築美学の到達点」という印象は持てなかったな~。その理由のひとつは高さやプロポーションの問題な気がします。数寄屋に限らず日本建築の邸宅は低さや暗さがその醍醐味だと思うのですが、内部空間は意外と明るく、天井高もかなり高め。元首相の家ということで、公的要素への対応からそのような空間が要求されたことは容易に想像できますが。また、アルミサッシなどの新建材も多用されていて(ちょっと目に付き過ぎた…)、多分1969竣工(ほぼ私と同い年)という建設業界の過渡期的な状況で、よくも悪くも古今の融合をせざるを得ない時代背景などがあったのかもしれません。

でも普段私どもの設計でもこういったジレンマは多々感じるんですよね~。ある意味思い切った割り切りも必要!と五十八大先生も思われたのかもしれません。色々考えさせられます…。

皆さまも、もしこの辺りのご興味あれば是非訪問されてはいかがでしょう?因みに旧岸邸の入館料は300円、敷地内には和菓子「とらや工房」もあって、ここでしか作られていない「どら焼き」はおすすめです。