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田都会家づくり講座 Vol.01
2019.1.16
西村 巌

◎今回のテーマ:失敗したくないマイホーム建築の「依頼先選び」

多くの方は一生に一度の買い物となる、マイホーム。せっかくお金をかけて建てるなら、後悔したくあいませんね。建ててから「こんなはずじゃなかった」「こうしておけばよかった」ということがないよう、じっくりと考えたいものですね。でも、ひとことに「マイホームを建てる」と言っても、その依頼先選びはさまざまです。

たとえば、建築家とハウスメーカー、これらの違いは漠然と理解されていても、実際に較べることができる機会を持つことがほとんどないため、分かりにくいところもあるかと思います。今回は、建築家と建てるマイホームとハウスメーカーと建てるマイホームがどう違うのか、会の建築家にも直接疑問をぶつけたコメントも絡めながら、掘り下げてみたいと思います。

 

  • ゼロから作り上げていくのが建築家との家づくりの大きな魅力

一般的にハウスメーカーに頼んだ場合、まずはハウスメーカーにラインナップされたメニューの中から合う家のタイプを探し、それを選んだ上で詳細のデザインを詰めていくことになります。仕上がりのイメージがしやすい反面、自由度という意味ではある程度の制約がでてきます。

建築家に頼む場合、土地や予算などの条件以外は白紙の状態から始まります。あなたのイメージが固まっていれば、条件の許す範囲内でそのイメージへと近づけていく打ち合わせが始まります。建てたい家のイメージが漠然としている場合、建築家と条件の相談を繰り返すうちに徐々に建てる家のイメージ・デザインが固まっていきます。

相手は専門家ですので、まずは一度相談してみると方向性が見えてくることもあります。

  • 「ハウスメーカーの家」と「建築家とつくる家」の違いとは?

田都会所属の建築家の皆さんに、建築家とハウスメーカーの違いをざっくばらんに訊いてみました。聞き手はWEB担当ライターです。建築とも建築家とも縁がない門外漢ですが、専門外からの素朴な疑問をぶつけてみました。

――そもそも建築家との家づくりって、どんなものですか?

「建築家との家づくりは、建築の時間を楽しむものと言えます。ハウスメーカーにはハウスメーカーのカラーがあるので、ある程度デザイン・設計テイストは統一感が出ます。もちろんそれは建築家にも言えることですが、建築家との家づくりでは『自分に合った建築』を建てるための自由度が遥かに高いです」

「もちろん、ハウスメーカーのテイストが自分にぴったり合うこともあると思いますよ」

「私は、建築家とハウスメーカーの違いは、既製品を使うか自分専用に作るか、ということに集約されると思います。例えばアンティークのドアを使いたくても、ハウスメーカーの規格に合わない場合使えないこともあります。無理に合わせようとすると予想外の予算追加となったり・・・・最初からそれを想定して全体を設計するのと、既存の設計に無理やり押し込めるのとでは全く違います」

――なるほど、ハウスメーカーはある程度プレタポルテで作っておくことでコストダウンを図るので、予想外の依頼にはそれなりの設計変更コストが伴うということですね。いままで「こんな無茶振り設計依頼があった」という事例があったら教えてください。

「無茶振りというか、一般のハウスメーカーのカタログには絶対載らないと思いますが、家の中に滑り台を、という施主様がいらっしゃいました(笑い)」

「多いのは素材へのこだわりですね。木材だったり、壁材だったり、アイランドキッチンの天板だったり…素材へのこだわりがある方は建築家と一度相談してみるといろいろ見えてくると思います。『こんな感じのリビングにしたい!』という雑誌の切り抜きを持ってくる方も多いですよ」

「自分のこだわりというのは、実は家づくりが進んでいって初めて気づくことも多いんです。最初からすべてのイメージが固まっている方ばかりではなく、建築家と施主様とで打ち合わせをしていると『実はこんなのがいいなと思ったことがあって』とか『イメージはあるけど言葉で説明が難しい』とか、建築家とのやり取りの中でどんどんイメージが膨らんで、固まっていくということがありますね」

――うーん、おもしろいですね。確かに家づくりなんてほとんどの方は最初の試みで経験がないですから、経験のある建築家の意見を聞きながら自分の好みを見つけるということは理に適っているように思います。そういう家の作り方というのは、最初に選択から入るハウスメーカーとの家づくりとは違うところかもしれませんね。逆に「こんなこともやってくれるの?」と驚かれることはありますか?

「キッチンはシステムキッチンしかないと思っている方がかなり多いですね。システムキッチンはシステムキッチンで様々なメーカーがラインナップを展開していますが、既製品の範疇です。家具屋さんがキッチンを施主様のために作ってくれることを知らない方が意外といらっしゃいます」

――キッチンをワンオフ(特注)で作ってもらえるんですか!?それは知りませんでした…だとするとキッチンを含めたダイニングの設計の自由度も上がりますよね。なるほどなあ・・・・。もう一点、気になるところとしてお金の話があると思います。ここは避けて通れないと思いますが、どうでしょうか。

「確かに、ハウスメーカーはその点がはっきりしています。メニューに沿ってつくれば建築費もかなり初期の段階ではっきりしますしね。建築家と相談してだんだんとイメージを作っていくと、当初に想定していなかったコストがかかることもあります」

「逆に建築家との家づくりでは、コストをかけるところとそうでないところのメリハリをつけることもできます」

「いずれにせよ、ハウスメーカーに依頼した場合と違い、建築家との家づくりは、最終的なイメージが固まるまで金額がはっきりしないということも多いというのは我々の課題でもあります。もちろん、全体予算をご提示いただいてその中で建築設計したり、お施主様とご相談の上で柔軟に対応できるというのはメリットでもあると思います」

「ハウスメーカーは企業として大きいですから、経営面もしっかりしていて安心できるというのはメリットですね」

「手前味噌かもしれませんがその点で言えば、田都会には資金計画や家づくりに関する雑多な手続き面をサポートできる事務局の体制が整っているので、ハウスメーカーのもつ利点を持ち合わせています。建築家とお金の話がしづらいという方でも、事務局を通していただければ設計は設計、お金の話はそれとしてしっかり両輪合わせて家をつくっていくことができますね。どちらが欠けても良いものはできませんからね」

  • まとめ「建築家との家づくり」とは?

ハウスメーカーでは既に用意されたデザインパターンや選べる設備が決められていますので、イメージが固まっていなくてもオーダーしやすいという利点があります。また規格から大きく外れなければ、予算的にもブレが少ないというよさがあります。

それに対して建築家はお施主様とのコミュニケーションを通じ、建てる人にとってどんな家が本当にマッチするかを考えて家づくりを進めます。建築家との家づくりにおいては自由度の高さも魅力ですが、自分では具体的に描けない、でも実は自分の中にある「本当の意味で求めているもの」を引き出してもらえるというのが大きな利点ではないでしょうか。

とはいえ、建築家とざっくばらんに話す機会というのはなかなか得難いものです。実際、設計事務所に気軽に立ち寄るというのは「敷居が高い」という声も多く聞きます。田都会ではそういったギャップを埋めるため、日々活動しています。地域イベントへの参加や、たまプラーザ駅近くにある「家づくりカフェ」では毎週日曜日には建築家が皆様の疑問にお答えすべく当番で常駐し、家づくりのイメージを具体的にするためのセミナーイベントも定期的に行っています。

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