暮らしに会いに
4年経って「住み心地はどうですか?」建築家と建てた住まいを訪問
  • シンプルな白い空聞に『リズム』を加えて
    家族が心地よく過ごす2階リビングの家

  • 鎌倉Tさんの家
  • 設計:遠藤誠建築設計事務所
家族が心地よく過ごす2階リビングの家
【家族が心地よく過ごす2階リビングの家】 家族で過ごすリビングを最優先にしたいと考えたTさんご夫妻。「陽当たりも風通りも一番良い場所にリビングをつくりました」。床材は足触りのよい無垢のチーク材。建築家の遠藤さんの事務所と同じもの。

最初は単に「広い」リビングがいいと思っていた。
住んでみると僕は「視界が広がる」リビングが欲しかったと気づいた(ご主人)

鎌倉の静かな住宅街に建つTさんの家。
ドアを開けるとぷぅんと木の香り、2階の窓から差し込む光が階段や玄関まで明るく照らします。
4年前に新築した当時は小さかったお嬢さんももう小学生。「リビングで子育てをしたかった」ご夫妻の希望通り、2階リビングで勉強やピアノ、お手伝いもするように。南は全面窓と開放的。日差しが入るから冬でもエアコンはあまり使いません」。また「向かいの公園の景色も眺められるのでローマンシェードを開けることが多いですね」。
南の窓の下と階段のガラス壁に造作した収納は「ちょうどいい」高さで「座ったり、ごろりとしたり」(ご主人)。
子育て中の奥様は、昼も夜も「私はほとんどリビング(にいます)」 (奥様)。
リビング
【リビング】 高さ4メートル、キッチンと合わせると30畳あまり。
ゆるやかに下がる天井は遠藤さんの提案した「登り梁」で、空間に軽やかなリズムを刻んでいる。
I型の広いキッチンはお菓子づくりがプロ級の奥様の作業台としても活躍中。パントリー、ニッチと「欲しいところに」収納を配置、「入れっぱなしといった無駄な収納にならない」と、その使い心地に満足しています。
キッチン
【キッチン】 機能的かつ「見せない収納」を希望された奥様がこだわったキッチンは、抜群の収納力。
キッチンは「田園都市建築家の会」協賛会社であるリネアラターラの制作。

「飽きのこないデザイン」、地に足の着いた暮らしをお願いしました。
だから、住んでからずっと「ちょうどいい」が続いています(奥様)

「できる限り無駄なく、スペースを有効活用する」ため建具はほとんど引き戸で収納タイプにしたら「実はほとんど開けっ放し」、風は通るし「オープンで広く感じます」。また「最初から100%完成させるではなく、後でも出来るものは思い切って捨てましょう」と遠藤さんが言った結果、後回しにした庭は「使うイメージがピン!と湧いて」2年後に手を入れたそう。
「建築家に依顧すると高そうという先入観があったけど、今考えるとデメリットが見当たらない」とご主人。奥様は、とお伺いすると「この家は期待以下でも期待以上でもない。だってお願いしたととが、全部実現されている。だから“期待遇りの家”(笑)だし、とても満足しています」。
階段
【階段】 吹き抜けで2階からの光が差し込む階段。
子どもの格好の遊び場だが「娘が歩けるようになってから設計したので、デザインも大人仕様にしました」(奥様)
Editor's Eye

朝日を計算した「東のハイサイド窓」

東のハイサイド窓
遠藤さんが提案した「東のハイサイド窓」は、「朝のダイニングにちょうど光が差し込む角度を計算した」もの。おかげで「朝から気持ちがいい」(ご主人)、「実は、夜にはお月様も見えるんですよ」(奥様)。また外から帰って来たときに、ほのかに光が漏れる外観も印象的だ。

間取り図

間取り図

家づくりの流れ

2009年7月
家づくり検討開始
2009年10月
建築家に依頼する方針決定
2010年1月
土地購入
2010年2月
ネットコンペ開催
2010年4月
設計スタート
2010年8月
着工
2011年1月
竣工
引き渡し

お住まいのDATA

所在地:神奈川県鎌倉市
家族構成:夫婦+子ども1人
敷地面積:165m2(50坪)
建築面積:65m2(20坪)
延床面積:126m2(38坪)
工法構造:木造軸組工法
竣工年月:2011年1月

取材後記

施主様と建築家の写真
写真左から建築家遠藤、Tさんご夫婦の娘さん、ご主人、奥様

Tさんの家は独立して最初に設計させていただいた住宅。私にこの世界でやっていく上での小さな自信と、大きな喜びを与えてくれた大切な住まいです。
久しぶりの訪問でしたがとても綺麗に使われていて、愛着を持って暮らしていただいているのがわかります。大きな変化は庭の木々が充実したことと、木部などの自然素材が落ち着いた色になってきたことぐらい。でも設計中にとても仲良くなったお嬢ちゃんが、会う度どんどん大きくなって…。

住まいは暮らしの器、ご家族のライフステージを見据え、また見届けることも我々建築家にとって大切なこと、と感じた取材でした。Tさん、お忙しい中、取材協力ありがとうございました。
またお邪魔させていただきますね!