現在、日本の住宅の浴室と言えばそのほとんどがユニットバス（UB）で、防水を施してタイルなどを張って仕上げる在来工法と言われる昔ながらの作り方はほとんどしなくなってしまいました。UBと比べて、施工にかなり手間がかかり、よってコスト的にも割高で、メンテナンスなどもそれなりに覚悟が必要、といったことがその理由と思われ、UBの合理性を考えれば致し方ないようにも思います。しかしながら住まいに対するこだわり、特にお風呂に対して思い入れが強い方も少なからずいらっしゃり、そういった方からの設計依頼では、在来工法の浴室をリクエストいただくことも多々あります。

写真は当事務所で現在工事中の住宅の在来工法の浴室です。在来浴室の場合でもバスタブは既製品をはめ込むケースが多いのですが、今回は浴槽まで全てつくることになりました。現在はモルタルの下地の状態、この後床壁全面に十和田石を貼っていきます。

水が関係するのでなかなか設計の難易度も高く、使い勝手や後々のことも重要、そして癒しの空間となるべく住いの良さを実感していただくポイント的な場所なので緊張しますね…。完成した暁には是非一度、私も入浴させていただいて、色々実感したいと思います。