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7days Book Covers Challenge
2020.5.28
田井 勝馬

7days Book Covers Challenge

新型コロナウイルスの非常事態宣言下、社会では様々な動きが出ていますね。
この「7days Book Covers Challenge」のバトンも自宅での新たな過ごし方「新しい生活スタイル」を物語っている一つの事象かもしれません。
改めて、今までに記憶に残っている書籍を各自のスタンスにて紹介するページです。
私もたまプラーザ街づくりでお世話になっている藤井本子さんからのバトンを受けての投稿。
建築歴史好きの私、かなりディープなセレクトですが、興味を持っていただければ幸甚です。

 

7days Book Covers Challenge-1

  
「髙宮眞介 建築史意匠講義」
ー西洋の建築家100人とその作品を巡るー
 髙宮眞介 飯田善彦(アーキシップ叢書1)

歴史好きな私にとって特別な存在の本です。

恩師である建築家;髙宮眞介が大学最終講義にて纏められたもの。
その後、飯田善彦氏が主宰するアーキシップ・カフェにて改めて「髙宮眞介連続講義」として開催。
ルネサンスからはじまり、マニエリスム、バロック新古典主義、モダン、そしてコンテンポラリー・・
14回にテーマ付された切り口にて西洋建築と建築家の肖像を一建築家;髙宮眞介の視点にて解説した興味深い歴史建築解読本。

たまプラーザ100段階段プロジェクト等の街づくりにて、お世話になっている藤井本子さんからのバトン。
忙しさに感けて遅くの投稿となりましたが、チャレンジしていきます。

 

7days Book Covers Challenge-2

「ルドゥーからル・コルビュジェまで」
ー自律的建築の起源と展開ー
 エミール・カウフマン 白井秀和 訳
中央公論美術出版

歴史好きな私にとって、難解な存在の本です。

「髙宮眞介連続講義」の第3回「崇高な自律性とピクチャレスクの他律性」と題した18世紀;新古典主義建築を取り上げてのレクチャーで紹介された建築解説本。
新古典主義・革命建築家として知られるルドゥー、ブレーの「自律的な建築」と、一方で「バロックの連鎖」の流れを汲む「他律的な建築」とが共存する18世紀建築の興味深さを解説したもの。
建築と都市の成り立ちや関係性を説いた教本。少々解読が難解で、寝る前に手に取ると眠りにつきやすいかも・・・・

 

7days Book Covers Challenge-3

「マニエリスムと近代建築」
ーコーリン・ロウ建築論選集ー
 コーリン・ロウ 著 伊東豊雄+松永安光 訳
彰国社 刊行

歴史好きのきっかけとなった、記念すべき本です。

大学3年の時、恩師から薦められて手にした。読むにつれて建築の歴史へとのめり込んで行ったのを覚えている。
大学図書館の収蔵庫に入り込んでいろいろと読みあさっていると、いつの間にか夜になっていたな〜〜
ジュリオ・ロマーノ、ヴィラ・ジュリア、ヴィラ・カプラ・ロトンダ、サンカルロ・アッレ・クワトロ・フォンターネ・・・・また読み返してみよう!!!

 

7days Book Covers Challenge-4

  

「髙宮眞介 建築史意匠講義Ⅱ」
ー日本の建築家20人とその作品を巡るー
 髙宮眞介 大川三雄 飯田善彦
(アーキシップ叢書1)

歴史好きな私にとって、日本建築を再考した存在の本です。

前回、西洋の建築家100人を取り上げた「髙宮眞介連続講義」が盛況だった事から、第二段として日本の建築家20人を取り上げて、新たに歴史家;大川三雄先生にも参加頂き、戦前から戦後敗戦の時代を経て、現代建築へと変遷したその作品について語り纏めた叢書。

辰野金吾、妻木頼黄から渡辺仁、村野藤吾、また坂倉準三、前川國男、谷口吉郎、そして丹下健三、槇文彦、磯崎新、谷口吉生、ーーー様々な切り口にて日本建築と建築家の肖像を解説した興味深い日本建築の解読本。
特に番外編では、「日本建築空間の美」と題して、伊勢神宮、平等院鳳凰堂、そして桂離宮を語る建築家;髙宮眞介の視点が興味深い。
丸の内・日本橋、上野、横浜の歴史建築物を解説付きで廻る贅沢な講座の書籍化。

 

7days Book Covers Challenge-5

「日本の建築」歴史と伝統
太田博太郎 著
ちくま学芸文庫

歴史好きな私にとって、日本建築の美;桂離宮を知る本の一つです。

大学3年の時、西洋建築の虜になっていた私に2つ上の先輩から桂離宮について語られたのをきっかけに日本建築にも興味が湧いた。
その先輩の名は「小川広次」桂離宮を題材に卒制を完成。卒業後には谷口建築研究所に進み、その後独立。小川広次さんには、私の卒制においても色々と指導頂いた厳しい先輩。お互い独立してからも可愛いがってくれて永い付き合いが続くが、思いも寄らないことが・・・・

 

7days Book Covers Challenge-6

「数寄屋建築 平田雅哉作品集 1」
 料亭・旅館篇
 平田雅哉 著
 創元社
 
歴史好きな私にとって、日本建築にのめり込んだ存在の本です。
 
その後日本建築の美について、さまざまな本を手にした。堀口捨己や谷口吉郎、吉田五十八・・またお茶席にも興味が膨らみ、裏千家の今日庵にも行った。そんな中で一際目に止まった、と言うよりも心に響いたのが平田雅哉の建築だった。割と無骨では有るけれど線的な構成がとても好きで、幾つもデザイン手法を盗んだ。今でも日本間を設計する時のお手本なのかも知れない。

 

7days Book Covers Challenge-7

   

「体験的 高齢者住宅 建築作法」
−70歳にして家づくりに七転八倒−
−建築家 小川広次との格闘日記−
   中原 洋 著

ブック・カバー・チャレンジも最後の投稿です。
 
「歴史好きな私・シリーズ」でまとめておりましたが、どうしてもこの場を借りて紹介したい本があり、最後のページに掲載することにしました。
先日も紹介した2つ上の先輩、建築家; 小川広次 設計の「阿佐谷南の家」の住まい手が綴った奮闘記です。
小川広次は谷口建築研究所 元所員、独立してからも事務所同士の付き合いも永く続いていた。
建物が完成すると決まって見に来てくれて、建築についていろいろと語ってくれた。いつも厳しい存在ではあったが、大切な理解者でもあった。
 
そんな彼の身に異変が起こる。膵臓癌との告知。病状が悪化し闘病生活が続いたある日のこと、小川広次から電話があった。
「田井君、今新しいプロジェクトに取り掛かっているんだ。まさに病室が僕の専用アトリエになっていて、集中して設計ができるよ〜〜
建築は本当に面白く奥が深いな〜〜僕は今、癌と闘っているけど、その事を凌駕できる、そんな建築設計を仕事に選んで良かったよ〜〜・・・・・・・」
この電話での会話が、小川広次との最後のやりとりでした。
 
50歳の若さでこの世を去った建築家;小川広次、
その執着心と生きざまを是非とも感じて欲しいと思い、
7days Book Covers Challengeを締括らせていただきます。
素敵な機会のバトンを頂いた藤井本子さんに改めてお礼申し上げます。
ありがとうございました。