暮らしに会いに
1年3ヶ月経って「住み心地はどうですか?」建築家と建てた住まいを訪問
20代で出会った北欧デザイン、
子育てで学んだ手仕事と音楽が暮らしと空間にゆとりを、
ファミリースペースが家族をちょうどいい距離にしてくれます(奥様)
広々とした玄関を一歩入ると真っ白なアイランドキッチンに吹き抜けのあるリビングダイニング、そしてフルオープンになる大開口の窓の先にはバーベキューも楽しめる広いデッキが。Wさんのお住まいのメインの一つはこの1階部分、横に縦にのびやかな空間です。もう一つのメインは中2階にあたる約6畳のフアミリールーム。スキップフロアの高さの分リビングから離れているので、本を読んだり音楽を聴いたりと自分の時間を楽しむ子どもたちの気配を感じながら大人は下で寛ぐ、近づきすぎず遠くならない絶妙な距離感を実現しています。
白く美しいフルオープンのアイランドキッチンは、カウンター越しにダイニングやリビング、和室まで一望できるだけでなく「どこを見ても窓から光が差しこむ」(奥様)と開放感は格別。家電をデザインに組み込んだ背面収納は機能的、イッタラの「アテネの朝」が飾られたコーナー窓は額縁のようで心ときめきます。
吹き抜けと渡り廊下の提案が気に入って決めました。
設計プランを見る時間は楽しく、予算のことを忘れるほど。
建築家から戻ってくる回答も適切でストレスがなかった(ご主人)
間取り図でイメージが沸かないと「何度も宮﨑さんに絵を描いてもらった」おかげでこだわらなかったところは1ヶ所も ないと思うほど選びぬいた奥様。来客が多いのにスッキリきれいなWさんの家はチェストや鏡などが存在感を放ち、温も りとセンスを感じさせますが「お手持ちのものをすべて調べてプランニングした」(宮﨑さん)収納計画も理由の一つ。 「家は本当に大きな買い物です。幾つもの会社に相談しましたが満足出来る提案がなかった。宮﨑さんの回答は納得できた」とご主人。帰宅時に外観から溢れるやわらかな光にほっとするそう。今はデッキのインテリアをご家族で相談中。日差しに溢れ、風通しのよいWさんの家、3つ目のリビングが楽しみです。
【リビング】 ファミリースペースの下は大容量の収納。お雛様やクリスマスツリー、扇風機といった季節のものや衣類、アウトドアセットにお子様たちの図工の写真などが大切に保管されている。
Editor's Eye
多様な素材が生きるコンセプトのある暮らし
ファミリールームの壁は現場にて特殊な表面加工を施した煉瓦タイル、和室はウッドチップが入った壁紙と朱色の和紙に北欧の明かりがよく映え、洗面所のモザイクタイルは優美な清潔感を感じさせる。多様な素材を取り入れているが住まいのコンセプトが明確なので違和感がなく、組み合わせることで魅力が増加している。
ギャラリー
間取り図
家づくりの流れ
- 2014年1月
- 家づくり検討
田園都市建築家の会を知る - 2014年5月
- 宮崎さんと契約
- 2014年11月
- 着工
- 2015年6月
- 竣工
お住まいのDATA
所在地:神奈川県横浜市
家族構成:夫婦+子ども二人
敷地面積:181.49m2(54.9坪)
建築面積:65.95m2(19.9坪)
延床面積:108.42m2(32.8坪)
工法構造:木造軸組工法
竣工年月:2015年6月
取材後記
竣工後、何度かお邪魔しているW様邸。今回は取材ということでどんなお話が聞けるかワクワクしながら伺いました。取材させていただく中で奥様からの「こだわらなかったところは一ヵ所もない」という言葉。設計当時の色々な打合せがよみがえってきました。こだわり抜いた素材、とことん悩んだ収納計画など現在の素敵な暮らしぶりの下支えになっているかと思うと本当に嬉しい一言でした。また今回はお嬢様のバイオリンの演奏をお聞きする機会も!実は空問の大きさにもこだわったW様邸、音響計画は非常に難しいのでしっかりとお嬢さんの演奏を受け止められるか心配でしたが演奏の邪魔をすること加く素晴らしい音色を聞かせてくれ、ホッと胸をなでおろしました。
バイオリン同様、手入れを楽しみながら愛着を持って住まわれているご様子を拝見でき、設計者冥利に尽きる一日でした。W様お忙しい中、ご協カありがとうございました。