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【田都会講座_02】リフォームも建築家に頼めるの?
2019.6.2
西村 巌

田都会に寄せられるご相談やご要望において、お住まいの新築・建て替えはもとより、リフォームに関するご相談や問合せが多くなっています。
その中身はさまざまですが、「そもそもリフォーム(の設計)も建築家に頼めるの?」 というご質問をいただくことがあります。
リフォーム番組「ビフォーアフター」などで、建築家が「匠(たくみ)」として取り上げられたりもしたので、
広く認知されていると思いきや、まだまだ「建築家」というと、とかく「大きな建築物や邸宅を設計する人」というイメージをもたれている方も少なくないようで(苦笑)。

答えはもちろん「YES」となるわけですが、ここでは、もう少し掘り下げて、建築家とリフォームを進める際のメリット・デメリット、依頼時のポイントについて、会の建築家にもアドバイスをもらいながらご説明していきたいと思います。

●リフォームを検討するにあたって、まず配慮すべきこと

“誰に依頼するか”という以前に、まず触れておきたいのが、資金繰りやスケジュールといった全体計画についてです。
この点については、ある意味、新築よりむずかしい側面があります。
おもに資金計画やスケジュールといった部分ですが、内容にもよりますが、リフォームの場合、少なくとも躯体や床・壁は古い家のものを利用することになりますが、これから解体してみないと、その状態がわからないケースが少なくありません。
そのため、開けてみたら「雨漏りによる腐食」や「シロアリ被害」なんてこともあるのです。そうなると、当初想定していなかった外壁の総やり替えや躯体柱の補強などが発生し、数百万のコストアップ、工期も1~2ヶ月長くなる等、予算コントロールが非常にむずかしいのです。
ゼロからスタートする「新築」よりもむずかしいというのはこういったことがあるからですが、事前調査である程度分かる部分でもあるので、そういう意味からも信頼できる「パートナー探し」が重要になってきます。
ここでは、リフォームにも多くの経験をもつ田都会の2名の建築家にいくつかの質問をぶつけ、リフォーム検討者の方の疑問に答えるとともに、建築家を「パートナー」のひとつとして考えてもらえればうれしく思います。

――リフォームをプランニングする際のむずかしさや注意すべきポイントはどういった点ですか?

「戸建てとマンションによっても違ってきますが、たとえば、マンションの場合、大幅な間取り変更をする際にキッチンやその他水回りの位置をダイナミックに移動する場合がありますが、床を上げたりするので部分的に段差ができたり、排気ルートや梁の制約によってレンジフードの移動範囲が制限される場合があります。マンションの構造によっても、可変性に大きく影響するため、物件調査はしっかり行う必要がありますね」

「戸建てだと(冒頭でも触れていますが)物件の状態確認がホントに大事。目視だけでは限界がありますね。あと、工法別では、ハウスメーカーに多い『軽量鉄骨』系のプレハブ住宅は変更しずらいです」

●建築家ならではの・・・リフォームの提案スタンス&提案スタイル

――なるほど。お客様の「どう変えたいのか」という希望と、その家が「どこまで変えられるのか」という制約条件を事前にしっかり見極めて、提案する必要があるのですね。では、提案する際に心掛けていることはありますか?

「リフォームならではのポイントでいうと、お客様がずっと住んでいたお住まいをリフォームする場合と、中古を買ってリフォームする場合とではアプローチの仕方が全く違いますね。前者だと、お客様はこれまでの経験から間取りや使い勝手などの不具合や不便さをわかっている。でも、後者の場合、そうしたベースの部分がないわけだから、お客様へのヒアリングや想像を働かせて最適解をすり合わせていく作業に時間をかけますね」

「その上で、プラン提案も2案出すことも少なくないです。1つはお客様の要望に忠実に合わせたもの。2つ目は、大きく発想を膨らませた一見まったく違うものです。もちろんお客様のニーズから逸脱したものではなく、そうしたものを踏まえ、実現したい暮らしから読み解いた自分なりの解釈をプランニングするんです。わりと2つ目の提案が受けることが多いですね」

――お客様もしたいことはいろいろあってご要望も多岐にわたりますが、それを「間取り」に落とし込むのはプロではないですもんね。リフォームならではの制約条件を抑えながら、自由な発想でアプローチするのは「建築家」ならではかもしれません。では、もう少し建築家にリフォームを依頼するメリットと逆にデメリットがあれば教えてください。

「いまは、建築家に限らず、リフォームのパートナー選びも多岐にわたってきています。とくに、設計・施工をワンストップでおこなう会社は、プランの打ち合わせ回数を1~2回で終わらせ、スピード感をもって進めることができるなど効率性重視の仕組みをもっています。この枠組みの中でご納得するプランができればよいのですが、プランが煮詰め切れてなかったり、お客様も納得感のないまま進んでいって、結局、物足りなさを感じて、私(→建築家)のところに相談に来られる方もいます。建築家の場合、プランニングにたっぷり時間をかけて、納得いくまで詰めていきます。建築家のメリットは、まさにこの納得感の追求ではないでしょうか」

「たっぷり時間をかけて突き詰める。つまり、時間がかかる・・・というのはデメリットといえるかもしれません(苦笑)。だからこそ、お客様とはそのへんも確認した上で、納期(完成時期)もしっかり確認しながら進めていくことが大事でもあります」

「工事の見積りについても、複数社で比較検討する場合は、各社とのやり取りをお客様がそれぞれに対応する必要がありますが、建築家の場合、そうしたやりとりを代替し、各社から上がってきた見積もりを精査するところまでやりますので、そうした安心感もメリットといえるでしょう」

●まとめ「建築家にリフォームを依頼するということ」

まず冒頭の回答:「建築家にもリフォームは頼めます」(笑)。ただ、リフォームといっても設備が壊れたので交換したいというものから、家全体や(一部分であっても)空間全体のイメージを一新したいというものまで多岐にわたります。建築家とやる場合、やはり「プランニングの発想力」や「空間デザイン」といった部分で違いを発揮できるというのが特徴であるため、圧倒的に後者で検討されている方におすすめだと思います。

とはいえ、建築家とざっくばらんに話す機会というのはなかなか得難いものです。実際、設計事務所に気軽に立ち寄るというのは「敷居が高い」という声も多く聞きます。田都会ではそういったギャップを埋めるため、住まいづくりに関することには気軽に相談できるよう、日々活動しています。地域イベントへの参加や、たまプラーザ駅近くにある「家づくりカフェ」では毎週日曜日には建築家が皆様の疑問にお答えすべく当番で常駐し、家づくりのイメージを具体的にするためのセミナーイベントも定期的に行っています。

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