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スキップフロア
2026.2.19
遠藤 誠

これまでのブログでも「コートハウス」「地窓」「勾配天井」など、設計上の仕掛け(=工夫された仕組み)について採り上げてきましたが、今回は当事務所でよく用いるアイテムとして「スキップフロア」をチョイスしたいと思います。スキップフロアとは1つの階層に複数の床高を設けて段差でつなぐ空間構成で、「中2階」といったフロアが生まれます。一般的なメリット・デメリットなどについてはネット検索やチャットGPTに任せるとして(最近はAIが上手く要約して回答してくれるので便利になりました!)ここでは実務に即して採用する条件と、その効果などについてコメントしたいと思います。

上の写真は「代沢M邸」、断面的にやや低いレベルにあり天高もさほど必要でないガレージ上部とそれ以外でスキップした事例です。都市住宅エリアでは道路斜線や高度斜線など様々な高さを抑える規制が生じますのでそれを回避しつつ、各部屋単位で過不足の無い天井高を確保する上でスキップすることは効果的。更にこの事例では、大きなリビング(写真手前)とダイニング(写真右奥、フローリングの部分)の1m弱の高低差が付かず離れずのちょうど程良い関係になることを意図してプランニングしました。

右の写真は、元々敷地に高低差があり中庭を介してコの字の平面形の両側サイドで地盤レベルから素直に積み上げた「町田の家」の中央階段スペース。(高低差の対応について説明していますので、こちらhttps://www.youtube.com/watch?v=z7uocRlsOw8 の動画もご覧ください)このケースでは法的な高さ規制は厳しくないものの、囲われた中庭に自然光をより多く採り込み、圧迫感も低減したく、各フロアのレベルをスキップさせることで、全体の高さを極力抑える構成を考えました。

また写真はありませんが間も無く着工する狭小住宅のケースでは、第一種高度地区による北側からの厳しい斜線制限があるにも関わらず、配置は極力北寄せで南庭を広く取りたいという意図から、敢えて建物の北側分を土間床工法(半地下の一歩手前)、その上階部分もレベルを下げることから生じたスキップで、小さいながらも空間効率を最大限良くするための工夫が詰まった計画などもしています。

こうしてスキップフロアの事例について列記すると、いずれの場合も「都市空間でより開放的な居住空間とするためのテクニック」として説明が付くように思います。そこにはその土地ならではの条件が色濃く反映されることも必須で、言い換えればハウスメーカーの住宅などでは対応しづらい、ケースバイケースの対応ということができそうです。建築家の設計する住まいは、土地の条件や、お住まいに対する個々のご要望に柔軟に対応することが最大のメリットであると思います。特にこだわりの詰まった、世界に一つの住宅を建てたいと思われ方は、是非、建築家の設計によるお住まいを考えてはいかがでしょう?

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